東京女子流アーティスト宣言から5ヵ月半 | カピバラ日和

カピバラ日和

東京女子流が大好きです。

 Tokyo Girls' Style 5th Anniversary LIVE -キラリ☆ into the next world-にいってまいりました。

 女子流のいわゆるワンマンライブはかなり久しぶりで、しかも4月という「脱アイドル」の期限を迎えた後の初の本格的な有料ライブということもあって、楽しみにしていたヲタも多く。。。

 普段はあまりやらないけれど、今回は手許にセットリストのメモがあるので、ブロックごとにライブをふりかえってみます。


  (MC)
01.  Never ever -TJO & YUSUKE from BLU-SWING Remix- (初)
02.  加速度
03.  mine
04.  月とサヨウナラ
05.  GAME


 最初のブロックは驚きしかなく、あまり細かいところを覚えていない。
 全身黒と銀の衣装に身を包み、インカムを装着したメンバーが登場し、リーダーの庄司さんが話し始める。そこからNever everの本命リミックスである。
 Never everの本命リミックスバージョンは、ライブ初披露となる。ダンス映像の一部が事前に公開されていたが、まあ言うまでもなくその比ではない迫力。鬼気迫るといってもいい。マイクをもたないためこれまでのダンスとは全く異なる。本当に比呂子さんがフリをつけたのかというほどに。
 そこに続く加速度もこれまたマイクを手に持たないパフォーマンス。加速度は最近のリリース曲で最も好き。どうしても生でパフォーマンスを観たくて、タワレコでのリリイベで初披露したときの動画などを観ないようにしてきた。しかし、これも驚きの中に包まれてあまりよく覚えていない。
 そこからmine,月サヨ,GAMEという御馴染みの楽曲が続き、当然のことながらマイクをもつようにデザインされたこれまでの振りを当てなおしたものである。それがまた見事な仕上がりで、違和感は全くなかった。時折インカムを押さえたり、雑音が入るようなこともあったが、そのようなものなのだろう。



06.  鼓動の秘密
07.  ゆうやけハナビ
08.  きっと 忘れない、、、
09.  Rock you!
10.  W.M.A.D
11.  Attack Hyper Beat POP


 第2ブロックは往年の女子流を感じられる構成となっていた。ここからマイクを持ったいつものパフォーマンス。そういえば、佐竹さんはマイク手持ちにこだわりがあるというようなインタビューがあった気がする。。。
 ロッキュもWMADもAHBPもいわゆる沸き曲で、言うなればシーズン2以降の女子流の沸きシーンを作ってきたようなものだ。
 アーティスト宣言 において「封印」の対象として名前が挙がったのはおんなじキモチと頑張って いつだって 信じてるの2曲だけであって、前述の沸き曲3曲は封印を明言されたものではない。だが、あの頃の「アイドル」との線引きを行わないでいた女子流を半ばアイドル的に盛り上げてきたものといえるだろう。
 鼓動やきっと忘れないは今年のフリーライブなどで何度か披露されていたが、こうして30分余りの1ブロックを占めてみると、もう、あの頃のそのままの世界が広がるといっていい。何というか、楽しいっす。
 そしてここまでおよそ1時間。もう半分。



12.  おんなじキモチ
13.  大切な言葉
14.  ちいさな奇跡

 第3ブロックは「はなかっぱブロック」となっていて、封印を明言されたおなキモが復活。これには賛否あるようだが、今回はFirst Best Album『キラリ☆』の記念ライブなので、収録曲をやるのはそうオカシイことではなかろうとは思う。ちなみに、アルバムに入っていて今回のライブで披露がなかったのは、運命Bad Flowerの2曲であった。セトリに入れにくかったのかな・・・。久々の振りコピはやはり会場の一体感が出てすばらしい。そして新井ひとみさんの喜びよう。すばらしい。


15.  Say long goodbye
16.  追憶-Single Version-


 第4ブロックはバラードでまとめられている。Slgにおいては、中江さんの高音にかかる音響のエフェクトと、大サビ前の照明の演出に、思わず声が漏れた。カオリンさんホントにすごいっす。


17.  Liar
18.  existence
19.  Limited addiction
20.  Partition Love
21.  Count Three-TGS ver.-


 最終ブロックはブチ上げ系。いわゆる「かっこいい曲」が集められていた。Liarで短いジャケットを脱ぎ捨て、existenceからC3まで駆け抜ける。昨年の赤鰤公演ですっかり自分のものとしたと思われるハードボイルド楽曲と、往年の女子流を牽引したLiarとLaのLLコンビ、そしてこれからの女子流の方向性を示すと明言されたPLという、安定感に溢れた構成であった。しかし、どうもこにたんの声が割れているのが気になる。


EN1.  キラリ☆-Album Mix-
  (MC)
EN2.  A New Departure


 相変わらず揃わないアンコールの後、女子流は大きく衣装を替えて再び登場した。そして脳天をぶんなぐるかのごとく流れるキラリ☆のイントロ。キラリがすべての時間を巻き戻します。アルバムのリード曲だし、これを聴かずに帰れません。しかし、そういう曲をアンコールに入れるっていうのは・・・
 思い思いにリメイクした記念Tシャツに、オーバーオールやスカートを合わせたなんともふんわりした私服系衣装。こういうゆるいのいいよね。そしてナカエさんは安定のイカ娘。繰り返します、この娘はイカ娘です。この赤いリボンも卑怯なほどかわいい。
 最後はA New Departureでシメ。この曲も好きでカラオケで入れたりしますが、素人には低音が難しい。手を左右に振る動きも定番になってきました。会場に一体感が漂う中、ライブが終わりました。






 さて・・・思ったところを・・・



 アーティスト宣言に係る封印曲と5周年記念の整合性をとるためには、5周年を迎えてアルバムを出してこのライブをやってから封印を明言すべきだったかもしれない。もちろん、各アイドルイベントへの出演をやめるというのは早い時期に明らかにしなければならなかったというのがあったのだろう。結果としては、封印したのに曲をやるとはブレブレではないか、などと誰のためにもならない批判を浴びてしまった。
 おなキモは内外ともに認める女子流のアンセム的な存在であって、これを抜きにして、剰え新参のA New Departureをそれと同じように扱おうなどというS竹氏の見解にも、煮え切らない思いの者は多かろう。ということで、今回のライブは、そのアンセムがあまりにもアンセムであり、この半年でそれを払拭できたわけではないことを却って印象付けてしまった節はあると思う。

 今回のライブは、まさしく5周年の歩みを見せるもので、5th Anniversary LIVEの名にふさわしいものでありましたが、アーティストに踏み出した女子流に大きな期待を寄せるヲタクにとっては、あれっ、どうした?という感想が出てこなくもない、そういうものだったと思います。ライブ中MCで「おんなじキモチをずっとやりたかった!」とはしゃぐ新井ひとみさんを諭すメンバーの姿や、「女子流は変わりません」などと言ってしまう庄司さんの言葉からは、あれほど5人の気持ちとして踏み切ったことを強調したアーティスト宣言も、少しばかりぼやけて見えてしまう。あれだけ会場の空気を支配するポテンシャルをもつ楽曲を封印することはアーティストとして確信犯的なものをもっていて然るべきだし、「新しい女子流になる」と半年前の渋公から宣言しているからにはそれなりのものを打ち出して頂きたいところだが、その辺りも十分に伝わってこない。「女子流は変わらない」というのは、「アイドルをやめてアーティストになるわけではなく、もともと目指していた路線がアイドルではないのよ」という部分では強く頷くところだけれど、その辺りの微妙なニュアンスは必ずしも今回のライブにおいてメンバーの発するメッセージからは読み取れなかった。

 会場にぎっしり詰まったオーディエンスが脂ののったパフォーマンスに酔った、いいライブでした。
 でも、呆れるほど間延びした9月のワンマン予定が発表されただけで、次に何を魅せてくれるのか、予感のないライブであった。もちろん、Never everの本命リミックスを中心に、真っ赤に染め上がる情熱のステージになることが何となく予想されるものの、やはりライブの中核には往年の女子流の味があって、それはアーティスト宣言によって覆い被せることはできなくて、その空気はおんなじキモチのような甘い曲も引き寄せてしまう、そのような予感が残された感すらある。

 ということで・・・

 フルスロットルのアーティストとなったお姿、心よりお待ちしております。