ダブリンはアイルランドの東海岸でもムードは西海岸? | 還暦からのMUSIC LIFE ~Peaceful Easy Feeling~

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親父から爺へ、そしてその先には・・・

 ダブリンがアイルランドの首都であることは小学生でも知っています。ダブリン出身の世界的アーティストといえばU2であることも音楽ファンなら常識です。しかしダブリン出身の夫婦デュオが1970年代にアメリカのウエストコーストサウンドに大接近したことは叔父さんいやお爺さん世代でないと知らないかもしれませんね。

Gay and Terry Woods / Tender Hooks (1978)

 

 ブラックホーク99選、ブリティッシュ・エレクトリックフォークバンドのレジェンド、Steeleye Spanに在籍していたGayとTerry Woodsの夫婦が70年代に夫婦名義でリリースした4枚のアルバムはアメリカン好みの音楽ファンも唸らす素晴らしいアルバムです。ブリティッシュの中にはアメリカンに造詣が深いアーティストが多くいます。私見を言えばその殆どがThe Bandへのリスペクトを感じるバンドやSwampyなサウンドのアーティストだと思います。まあブリティッシュとして確立されている音楽があるのに無理してアメリカ寄りのサウンドを製作する必要もありません。その中でGay and Terry Woodsは無理なくアメリカンとブリティッシュが融合されたアーティストで、特に78年にリリースしたアルバムTender Hooksは非常にウエストコーストロックを感じさせてくれるご機嫌なアルバムです。まずはアルバムの1曲目で1番のお気に入りのWe Can Work This One Outからお聴きください。

 如何ですか?耳にした時にすぐKarla Bonoffが浮んでしまったのは私だけですかね。もちろんアルバムの中にはブリティッシュを感じさせてくれる楽曲もありますが、このアルバムは全体を通して自然にアメリカンの乾いた爽やかなサウンドに包まれています。もちろんは私はアメリカンに比べてブリティッシュの視聴数は少ないのですが、それでもここまで恣意的でなくアメリカンを感じるアーティストは少ないと思います。

 お次はご亭主Terry WoodsのナンバーからI've a Ladyです。私はRoger McGuinnが浮んでしまいました。

 女性アーティストに限ればブリティッシュのアーティストとアメリカンの接点のひとつでJoni Mitchellを挙げられます。JoniはカナダのSSWですがどこか無国籍というかお国柄を感じさせない独特のアーティストですね。3曲目はFreinds of Mineです。

 4曲に絞るのは苦労するほど捨て曲なしのアルバムです。気に入った方はぜひ70年代のアルバムすべてをお聴きください。ただその先Steeleye Spanにまで足を伸ばすには覚悟もいりますのでご注意ください。最後はバンジョーやマンドリンを操るTerryが本領発揮するカントリー風味のI Won't Believe Itです。サックスもフューチャーされウエストコーストロックに大接近の最高の楽曲です。今後もずっと聴いていける素晴らしい夫婦に大喝采!

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