U理論にフィットしたコーチングセッション | つねにコーチであるために

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コーチのみなさんはU理論についてご存知だろうか?

 

U理論とは、個人や組織が未来に向けて変革する際の深い内省と行動のプロセスを示しているけど、実は、U理論にフィットしたコーチングセッションは、必ずクライアントに行動変容が起きる。

まず、U理論について、簡単に語っておく。

 

U理論は、名前の通り「U」の形をした以下の段階(プロセス)で表現される。

◯掘り下げ(Downloading):問題や課題など、これまで自分に起きていることや心が奪われていることに対して、状態や事柄をアウトプット(ダウンロード)する。視点が内向きになっていて、自分の視点からのアウトプットが多く、自分の枠組みに合わないものは自動的に排除してしまっていたり、反応的な態度を取ってしまったりする状態になっており、客観的にものごとを見るのが難しい状態になっていることが多い。その状態は、やがて崩壊を迎えることになる。

 

◯観る(Seeing):自分自身や周囲の現実を先入観なしに観察する。この段階では、既存の見方や思考パターンを捨て、オープンマインドで現実を見つめ直すことが求められる。

◯感じ取る(Sensing):深く感じ取ることが必要なのだが、関係者と共に現場に入り込み、共に現実を感じ取り、共有することがポイントとなる。この段階では、共感と協力を通じて、現実の真の姿を感じ取る。

◯気づき(Presencing):自分自身と未来の可能性に対して深い内省を行い、未来の姿から現状とのギャップを把握することにより、大きな気づきを得る。これは、過去と現在の制約から解放され、未来の可能性に対して開かれることを意味する。


◯結晶化(Crystallizing):未来の姿と現状のギャップから、新しいビジョンやアイデアを具体的に形成する。未来の可能性を具現化するためのビジョンや行動計画を作成して行く。

◯プロトタイピング(Prototyping):アイデアやビジョンを基にして、小さな行動を実験的に実行して行く。小さなスケールで試行し、フィードバックを得て改善を繰り返して行く。

◯実践(Performing):プロトタイピングの結果を踏まえ、広範にわたって実行し、実践を展開して行く。成功事例を拡大し、組織やコミュニティ全体で変革を進めて行く。

 

以上のように、深い内省と共感を通じて、未来の可能性を創造し、それを具現化するためのプロセスを提供している。

 

と言っても、何をどうすれば良いのか解りづらい。

 

これを、コーチングセッション(コーチングフロー)に当てはめてみると、具体的なプロセスや行動が見えやすくなるのだ。

 

◯掘り下げ
 

ここでは、クライアントの頭の中にあることを一通りアウトプットしてもらう。

 

コーチングフローでは「現状整理」「ゴール設定」が当てはまる。

 

一度アウトプットしてしまうと、客観的に見られる状況になる。

 

◯観る

 

自分が言葉でアウトプットしたことを、自分の耳で聞き、自分の頭にロードし直すような状況が起きるので、その状態を客観的な視点で眺めてみる。

 

「こんなことを考えてたんだ」とか、「そんなこともあったなぁ」「そもそも本当にやりたいのはこれだ」など、ただアウトプットしただけなのに、身体や心にいろいろな反応が現れるハズだ。

 

◯感じ取る

 

そして、身体や心に現れた反応や刺激を自らの感性で感じ取ってみるのだ。

 

ここで、コーチはコーチが感じ取ったことをフィードバックして、クライアントに気づいたこと・感じたことをなんども問いかけてみるのだ。

 

◯気づき

 

自分の内側にあったことをアウトプットして、観察して感じ取ってみると、だいたいの人は何かに気づく。

 

自分の内側のアウトプットした量が多かったり、思考が深かったりすると、強いモチベーションが生まれる。

 

コーチングでは、クライアントがこの底を打った状態になると「コツンと音がする」と言われている。

 

そして、クライアントがこの底を打った状態になると、後の行動(プロセス)は坂を転げ落ちるように決まって行くから、コーチはほとんど何もしない(問いかけない)状態でも、クライアントがどんどん前に進んで行くのだ。

 

◯結晶化

 

気づいたこと、頭に閃いたことをどんどん具現化して行けばいい。

 

リストアップしたり、優先順位を決めたり、会う人をピックアップしたりして、クライアントの行動計画を形にして行く。

 

◯試す

 

気づいたことや閃いたことをどんどん実行するだけだ。失敗してもいい。

 

その失敗から何を学んだのか、どうすれば上手く行くのかを考えればいい。

 

ポイントは、小さな行動から始めるのと、行動を振り返ることだろう。

 

◯実践

 

試したことを実際の目的に沿った行動に落とし込んで行けばいい。

 

試すことや実践することが頭に出てこない場合は、気づきが浅い可能性が高いので、もう一度原点に立ち返って、ダウンローディングしてみるのも一つの手だ。

 

ダウンローディングしたとき、ネガティブな行動を修正するのではなく、その行動から得ているもの(できていること)に視点を当てると気づきが深くなると思う。

 

このようにして、U理論にフィットしたコーチングセッションができたクライアントの行動は、モチベーションが高く、継続性も高くなり、ゴール達成しやすくなる。

 

全てのコーチが目指しているセッションかもしれない。