ボクの母親は60代後半で認知症を患い、息子も言葉も認知できなくなり、食事も喉を通らなくなり、82歳でその生涯を閉じた。
母の生活習慣や症状の経過、認知機能が低下して行く過程を身近で感じながら、認知症の予防にコーチングが機能すると直感したので、なぜそのように感じたのか、そのワケを探ってみたい。
◯認知機能の刺激
コーチングは、コーチからの問いかけを引き金にした対話を通じて、自分の考え方や行動パターンを振り返り、新しいアイデアや視点を取り入れ、できていることを発見し認め、興味・関心・好奇心に意識を向けることを奨励している。
このプロセスによって、脳の認知機能が活性化して行くのだと考えられる。
◯目標設定
コーチングでは、自分自身の夢を語り、未来のビジョンを描き、そこから具体的な目標を設定して行く。
まだ来ぬ未来のことなので、想像する力を使わなければならず、この未来を想像することは、脳の認知機能をフル回転させる必要があるだろう。
◯行動計画
立てた目標に向かって行動計画を立てるプロセスは、認知機能を維持・向上させる。
計画を立てるためには、記憶力や問題を認識する力が必要となる。
目標を達成するためには、問題解決能力が必要であり、問題解決能力は認知機能を活性化させるとボクは考えている。
◯社会的結びつき
ゴール達成のためには、自分以外の協力者が必要であり、協力者を得るために社会的な結びつきは欠かせない。
また、社会的な結びつきは、孤独感を軽減するのに役立ち、コミュニケーションの減少も防ぐことができる。
なにより、自分が社会の一員であるという肯定感、共同体感覚などが認知機能の低下を防いでくれる。
連れ合いを無くした人が認知症に陥りやすい事象が物語っているだろう。
◯ストレス軽減
コーチとの対話は、自分の内面を自分の言葉で表出させており、自分の内面を表出させることはストレスの軽減につながる。
無力感や孤独感などのストレスが軽減されば、認知症になる可能性も抑えられるとボクは考えている。
◯認知リハビリテーション
脳トレなどの認知リハビリテーションには、認知機能の改善を目指すために特に設計されたプログラムであり、進め方の一形態としてコーチングが用いられている。
コーチと歩むトレーニングやリハビリテーションは、不安要素が少なく、モチベーションも上がり安く、その効果が大きくなる。
認知リハビリテーションの効果としては、記憶力の向上、注意力の集中、問題解決能力の向上などが上げられる。
以上、認知症の予防にコーチングが機能するワケをつらつら語ってみたが、いかがだろうか。
いろいろなご意見・持論をお持ちの方もいると思うので、そのような方は、ぜひコメント欄に書き込んで欲しい。