自律神経とコーチングの関わり | つねにコーチであるために

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医者でもなんでもないボクだけど、今回は自律神経とコーチングの関わりについて語ってみたい。

 

コーチの皆さんは、なんとなくコミュニケーションが人の身体的作用をコントロールしていることを感じているだろうけど、その関わりを論理づけて説明している人は少ない。

 

自律神経とコーチング、またはコーチとのコミュニケーションがどのように関わっているのか、私見を述べて行く。

 

ご存知の通り、自律神経は交感神経系と副交感神経系に別れている。

 

人間の身体は交感神経系が優位だと、

 

•心拍数の増加

•血圧の上昇

•瞳孔の拡大

•消化活動の抑制

•筋肉の緊張

 

などになり、戦闘モードや逃走反応が現れ、行動が起きやすいエキサイティングでエネルギッシュな状態になる。

 

また、副交感神経系が優位だと、

 

•心拍数の減少

•血圧の低下

•瞳孔の収縮

•消化活動の促進

•筋肉の弛緩

 

などになり、リラックスしたり回復反応が現れ、冷静にものごと考えやすい状態になる。

 

※.昨日語った「脳の3つのネットワーク」のデフォルトモードネットワーク(DMN)に働きかけている状態。

 

コーチングは、対話によってクライアントのゴール達成をサポートするものなので、クライアントの行動が滞っていたり、エネルギーレベルが下がっていたりする場合は、よりエネルギッシュなコーチングセッションを実施したりする。

 

具体的には、クライアントのモチベーションが低いときは、できていることを認めたり、好きなことや興味のあることに意識を向けたりして行く。

 

過去の成功体験や楽しい出来事なども、クライアントのモチベーションを上げるのに役立つ。

 

このときのコミュニケーションが、交感神経系に働きかけているのだ。

 

これに対して、クライアントが怒りに満ちていたり、焦って行動を急いでいたりするとき、冷静さを取り戻せるようなコーチングセッションを展開して行く。

 

具体的には、身体で感じていることにフォーカスしてみたり、深い呼吸を促したり、頭の中にあることを一通り全部話してもらったりして、クライアントの感情の波が収まるのを待つような対話を心がける。

 

じっと黙って相手の話を聴くことが有効だ。

 

このときのコミュニケーションは、副交感神経系を優位にさせるような働きかけだ。

 

こうして、クライアントの状態に合わせたコミュニケーションを展開していると、自律神経のバランスが整い、思考回路が活発に働き出したり、行動の源泉となるエネルギーが湧き出てきたり、冷静さを取り戻したりして、よりゴール達成しやすい状態になって行く。

 

コーチがクライアントのコンディションを整えるサポートをしているといっても過言ではないだろう。

 

これが下手なコーチ(なーんちゃってコーチ?)だと、クライアントのコンディションをみないで、

 

・何に気づきましたか?

・何ができますか?

・いつからやりますか?

 

と連発してしまい、なんの気づきも起きていないクライアントが、苦し紛れの浅はかな回答をしてしまうセッションになってしまうのだ。

 

俗に言う「浅いセッション」だ。

 

浅いセッションはともかく、自律神経を意識したコーチングは、クライアントのゴール達成を促進し、その先のゴールへも連れて行くことができるとボクは思っている。