目標管理を実践するとき、最も重要なのが「目標設定」だ。
この目標設定は、コーチングでも一丁目一番地である。
20年近くコーチングを実践しながら学んだことから、そのコツ(具体的なやり方)を語ってみる。
◯より具体的に
まず、目標を設定する際に大切なことは、目標として定めることをより具体的にすることだ。
明確で具体的であればあるほど実現性が高まる。
例えば、クライアントがその目標を達成したとき、
・周りにはどんな人がいてどんな表情をしているのか
・その達成をどんな場所で実感しているのか
・そのときどんな洋服を着ているのか、どんな髪型なのか
など、そのときの情景がよりリアルに、ビジュアルに思い描けるのが望ましい。
◯測定可能に
そして、その目標を何で測るのか、測る秤(はかり)を明確にしておくと、中間地点での測定が可能となり、進捗状況が明確になる。
また、客観的に達成度を測れる秤をイメージしておくと、目標設定時には見えていなかったことが見えることもあるので、可能性が広がることへつながって行き、可能性の広がりがモチベーションを高めてくれる。
モチベーションが高まれば、行動が促進され、より目標達成へのパワーと速度が増加して行く。
◯達成可能に
よく言われることだが、目標は自分の実力より少し高いところに設定しておく方が自分の成長を実感できる。
気をつけなければならないのは、あまりにも高すぎて実現の可能性が低くなってしまい、達成できずにモチベーションが下がることだ。
現実的で達成可能な目標を設定することが、比較的重要なファクターだ。
ボクの経験からすると、人はできたときに行動が加速することが多い。
例えば、ゴルフで良いスコアが出たときほど練習場に足が向くのと同じ理屈だと思う。
不思議だけど、上手く行かなかったときほど練習しなければならないのだが、上手く行ったときほど練習に熱が入りやすい。
これは、小さな成功が行動の源泉になっているからだと考えられるので、目標設定もできるだけ達成可能なものを達成しながら、最終的なゴールへと向かう方が効率が良いと、ボクは考えている。
◯関連付けて
自分が立てた目標が、どんな仕事や組織の目標に関連しているのか、また、社会の中でどんな役割を担っているのかなど、自分の目標の関連性を具体的に理解することが重要だ。
趣味や好きなこと、得意分野、専門分野などでもいい。
とにかく、自分の目標がいろいろなことと関連しているという実感があると、より行動が促進され、ゴール達成の意欲が高まるのだ。
◯期限を決める
最後、これをやっておくのとやらないのでは、行動や目標達成に大きな違いが現れる。
不思議だけど、期限を決めた瞬間、行動が促進され、前に進む原動力を得るように感じる。
例えるなら、立てた目標がまだ絵に描いた餅であるなら、その絵に魂を注入するような効果がある。
何よりも期限が行動の背中を押してくれるのだ。
ただ、注意しなければならないのは、あまりにも逼迫した期限にして無理強いすると、心を病むことがある。
なので、ほどほどにするさじ加減が欠かせない。