ドラッカーが示した目標管理とは | つねにコーチであるために

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目標管理が企業に定着しつつあるけど、本来の目標管理として実行できている企業がどれぐらいあるのか疑問だ。

 

そもそも、日本で目標管理が注目されるようになったのは、かのピーター・ドラッカーが唱えた「目標管理(原題:Manegement by Objectives and Self-control)」だと言うことはご存知だろうか。

 

現在、目標管理を実行する場合、Manegement by Objectives であり、and Self-control の部分がどこかへ行ってしまっている。

 

 

ドラッカーが示した自己目標管理(Manegement by Objectives and Self-control)の基本ステップは、以下の通りだ。

 

1.目標設定(ここが最も重要


 ・所定の期間内に達成すべき具体的で明確な目標を設定
 ・全社目標・部門目標などの上位目標の達成に貢献できる目標
 ・組織の成長・発展と個人の成長を同時に実現できる成長志向のチャレンジングな目標
 ・上からの押しつけではなく自らの自発性と主体性に基づいた原案を上司との率直な対話を通じて練り上げた目標
 ・数値化される定量的な目標と数値化されない定性的な目標の両方を取り入れたバランスのとれた目標
 

2.プロセスの管理
 

 ・目標に達成するために必要不可欠な具体的なアクションを含んだプロセスの管理
 ・結果だけに目を向けるのではなく目標達成のプロセスの充実こそが成果につながると考える
 ・環境条件や前提条件の変化への柔軟な対応を含んだプロセス管理
 ・目標達成行動に対する援助・アドバイスを含んだプロセス管理
 ・目標達成に向けての途中経過が一目でわかる工夫がなされたプロセス管理
 

3.結果の評価
 

 ・期間内に達成した結果と当初設定した目標との対比による結果の評価
 ・本人と上司との率直な対話による客観的かつ仕事中心の結果の評価
 ・目標の困難度・外部要因・協力要因を十分に考慮した結果の評価
 ・能力開発・業績改善・人事考課への活用を視野に入れた未来志向の結果の評価
 ・基本は上司ではなく部下本人の自己評価による結果の評価
 ・部下が正しく自己評価できるように上司の適切なサポートを含んだ結果の評価

 

これら3つのステップを自己管理の下で実行するのがドラッカー流であり、本来の目標管理であり、仕事でコーチングを活用するときベースになるプロセスだ。

 

昨今は、自分のマネージャーと一緒に、このステップを踏むフローで実行している企業が多い。

 

弊害としては、自分で考えて行動していないので、やらされ感、押し付けられ感、マネージャーの責任だ感が強く現れてしまい、実行する人のモチベーションを大きく下げてしまっている。

 

企業側も、マネージャーにコーチングスキルを学ばせて、なんとか自分でやっている感を醸し出そうと必死だが、マネージャーとマネジメントされる側という利害関係が一致しない構図で実行しているのは、無理があるのかもしれない。

 

なので、目標管理が管理が上手く機能していないと感じたら、以下の2点を見直すことをお勧めしたい。

 

・セルフコントロールできているか

・個人の目標と企業の目標は一致しているか(ギャップは何か、押し付けていないか)

 

マネージャ主体ではない、プレーヤー主体であり、プレーヤーのセルフコントロールがカギになるよう目標管理を運用できれば、自ずと成果は現れるだろう。