(憲問第十四)
子曰わく、士にして居(きょ)を懐(おも)うは以(もっ)て士と為(な)すに足(たら)らず。
【訳】
先師が言われた。
「士(役人) で安楽な家庭生活のみを思う者は、立派な士とするには足りない」
*役人(士) は本来、公務を先にして私事を後にするのが本物である。日本が戦後、世界も驚く程の速さで復興を成し遂げたのは、この精神が基底になお生きていたからである。これを日本では「滅私奉公」と言い、中国では「先公後私」と言うのである。
<論語が醸すコーチング>
【士にして居を懐うは】俸禄を得て働いているのに、安楽な自分の生活のみを願う人に本当の幸せは訪れないので、コーチはクライアントが安楽に自分ことのみを優先するようなことを話していたら、心の中で自覚している社会的な役割を聴いて、その役割を果たすために強みを活かして行動できるようサポートしている。