式典は全てが縮小・簡素化され、例年なら用意されるブラスオケ(音大の付属なので)
による入場行進や、卒業生による演奏・合唱が取り止めとなってしまいました。
式典は、静かに卒業証書を受け取り、機械的に表彰が行なわれ、予定時刻に解散となり、
生徒たちは最後のホームルームに向かいました。
最後のホームルームには、生徒と父母がいっしょに帰宅できるようにと、父母も入室を許可され、
私は教室の後ろで、担任の先生と生徒の最後のホームルームを見守ることになりました。
担任の先生が生徒一人一人を教壇の元へ呼び、一人一人に3年間の思い出と共に
それぞれ言葉をかけ、ホームルームが終了へと向かって行きました。
先生からのお話しと事務的な連絡事項が終わり、先生がホームルームを終了しようとしたとき、
クラスを代表する生徒から、
「先生、少しだけお時間を下さい」
との申し出がありました。
先生は父母の同意を取り、改めて許可をすると、生徒たちはスライド式の黒板を開きました。
すると、そこには生徒が準備した「お別れセレモニー」のプログラムが貼ってあったのです。
-----------------------------
♪~バイオリンの独奏~♪
♪~ピアノの独奏~♪
♪~合唱「旅立ちのとき」~♪
-----------------------------
ささやかですが、先生へのなによりの贈り物だと感動しました。
最初のバイオリンを独奏する生徒が、演奏する前に言いました。
「震災でいろいろな人が犠牲になり、卒業式も延期され、簡素化されました。
先生への感謝の気持ちを伝えることと、震災に合われた方々を励ますために
今私たちにできることは、やはり『演奏』しかありません。
心を込めて演奏しますので、聴いて下さい。」
この感動的なホームルームをビデオに撮影していた私の目頭は熱くなりました(;_;)
と同時に、娘たちの成長を改めて実感しました。
最後、きれいなハーモニーの合唱の末、ホームルームは解散し、名残惜しい
空気の中、それぞれの道へと歩みを進めて行きました。
今年、小学校、中学校、高校、大学を卒業して行く生徒たちは、何を感じ
どんな道を歩み、どんな未来を創造して行くのでしょうね。
少子化で少ないかもしれませんが、次世代を担う若者たちはすくすくと育ち、
いろいろなことを感じ、未来に向けた歩みを始めています。
ふと、足元をを見ると、つくしが顔を出していました。
春はそこまで近づいています(^^)
我々も顔を上げ、道を歩いて行くことが未来に繋がると感じた出来事でした。
【今日の5つの感謝】
・娘たちが無事卒業できて感謝
・娘たちをここまで育ててくれた世の中に感謝
・娘の友達を含めた人間のつながりに感謝
・生命を受け継いで行く仕組みに感謝
・季節の移り変わりに感謝


