「人に恵んでいれば自分に返ってくる。」という教えを、このところ友人であるNYの某大学の教授からいつも伝えられる。
で、彼は何をやっているのかといえば、ホームレスに出会うと必ず20ドルを渡しているのだった。まるで大きな透明のボトルの貯金箱に500円貯金の硬貨を投げ入れるかのように、ホームレスに手渡しているらしい。
先日も、地下鉄のグランドセントラル駅からシャトルに乗る場所へ移動しているときにホームレスを見た。
「あれ、ホームレスがいるよ。」と言うと、「あ、渡しておかなくちゃ。」と言いながらホームレスのそばへと引き返し、お財布から20ドルを取り出して、子供に小遣いをあげるかのように、サクッと手渡していた。
「ありがとう。」とホームレスは喜んでもらった。
これまで私も「人に恵んでいれば・・・」の教えに従い、ホームレスに出会うとなるべく1ドルや5ドルを渡すことを試みていたのだけど、教授のそんな姿をリアルにみた数日後に、私も、グランドセントラル駅でホームレスに出会ったので、20ドルを渡してみた。
何が起こるのかわからないのだけど、特になにかが返ってくると期待しているわけでもない。ただなんとなく、教授がホームレスにお金を渡している背中を見て、ユニークだなぁ〜と感じたからだ。
これまでホームレスにお金を渡してるアジア系の姿をめったに見たことがないので、自分もユニークな存在になれれば、それはそれでアリかもって思ったこともある。
加えて、自分も20ドルを惜しいと思うことなく、サクッと渡せるくらい金銭的にも、気持ち的にも余裕ができたのかなぁ〜なんて思いながら20ドルを渡したのだった。
さらに先日は、飲みの席で、再び教授から、グランドセントラル駅にてホームレスに20ドルを渡した話題がでてきたのだけど、「人に恵んでいれば・・・」という教授の教えには、さらに深い意味があったようだ。
いつも酔っ払ってるので、友人同士のどんな素敵な会話も、アルコールの血中濃度が上がりきった後に起こる記憶喪失と共に、星の彼方へと消えていくのだけど、今回は携帯に録音しておいたのがよかった。
再度、聴いてみると、教授は、
「人に何かをしてもらうことによって、対価を払うというのが通常。たとえば、どこかで買い物をするならば、物を得てからお金を払う。その逆で、先にお金を渡すということによって、後から自分に返ってくるという法則のものに成り立っているのだ。」と、いうようなことを語っていた。
まぁ〜いろいろと、酒の席ではいつも、教授は、世界の常識をくつがえすような、みんながアッと驚くようなことを言い始めるのだけど、この「人に恵んでいれば自分に返ってくる」という考えが人それぞれにあれば、世の中が平和になりそうなので、良いことだ。