Jazz Record Bank 『When Sunny Gets Blue.』 -72ページ目

PLAYBOYS(World Pacific)/Chet Baker・Art Pepper

   
↑オリジナル盤                   ↑珍しい国内初期(ペラジャケ)盤

   
↑帯付キング盤                   ↑7inchシングル盤
   
↑CD                         ↑別テイクばかりを集めたCD

PacifficでPepperとChetが競演すると、想像以上の好演になりました。

僕はこのレコードが大好きで、オリジナル・国内初期のペラジャケット盤・キング帯付盤・

CD・別テイク集のCD、そして7inchまで購入するに至り、ようやく精神的に落ち着きました。

まぁそういう不治の病を罹患していることは、もうみなさんご存知の通りです。(;^_^A


今風に言えば“イケメン”ジャズマンの二大巨頭と言えるペッパーとチェットを双頭で組ませ、

題名に『PLAYBOYS』とまで名付けておきながらジャケットに二人の写真を使わない作者は

かなり偏屈で意固地な性格の持ち主ではないかと思います。

半裸の女性が抱きかかえた人形はPepperとChetに見立てているのでしょうか?

ジャケットから受ける印象は、題名とは相反して女性優位ですよね、おもしろいなぁ。


流麗なアンサンブルと全体を支配する芳醇な香り。

僕の一番好きなWest Coast Jazzです。

The Panther!(Prestige)/Dexter Gordon

あまり目立たない作品だが、

クリスマスソング一曲で愛聴盤にランクインしている1枚。

FreeやFusionの嵐が吹きすさぶ中もどこ吹く体で、

堂々と背筋を伸ばし、自信たっぷりにサックスを奏でる

我らがロングトールデクスター。

スピーカーの前に寝転がり、世間体など一切気にせず

部屋の鍵を締めてボリュウムを大きく回す。

思考を止め、フラナガンのイントロにうっとりと目を閉じて

ゆったりとデクスター劇場を堪能しよう。


繰り返すが、ボリュウムは可能な限り最大限だ。

カミサンのくだらぬ怒鳴り声などが、耳に入らぬようにね。



Helen Merrillさよならコンサート

9月23日、五反田ゆうぽうとでのコンサートでHelen Merrillへの別れを告げに集まった客達の大半は

60歳~70歳代のヴェテラン達でした。

それが理由かどうかわからないけれど、会場を包む空気は終始暖かく、

前半のクインテット演奏ではリラックスしたいわゆるモダンな4ビートをたっぷりと堪能できました。

キチンとスーツを着て、客席の表情を見ながら、つまり楽しんでいるかどうか確認しながら演奏をする

彼等は間違いなく一流のプロフェッショナルです。

自己満足の垂れ流し演奏を長尺で聴かされると5分で嫌気が差す僕にはとても快感でした。

ちなみにメンバーはcor:ウォーレン・バシェ ts:スコットハミルトン p:テッド・ローゼンタール 

              b:スティーブ・ラスピナ ds:テリー・クラーク です。深くご記憶下さい。

そして、後半。

黒のドレスになんとピンヒールを履いて登場した80歳のヘレン。

顔色がよく、今夜のためにキッチリと体調を整えた様子が伺えます。

サマータイム、マイフェイバリットシングス、枯葉などのスタンダードを熱唱してくれました。

そして・・・・

照度が落ちるとドラムのテリー・クラークがすっと立ち上がって舞台から消え、

スツールに浅く腰掛け、ピアノとアルコ(ベースの弓弾き)をバックに優しくそっと歌いだした

『ラブミーテンダー』が当夜のクライマックス、月並みな演出ですが僕は心から感動しました。

やはりこの人には華がある。舞台には何一つ飾りがなく無機質な空間でしたが、

彼女は特別なスポットライトを浴びているかのように輝いていました。


アンコールのs’Wandafulが終わると、観客はもう座ってなどはいられません。

60~70才代の人達が軽々と腰を上げただけでもどんなに素晴らしいコンサートだったか想像できるでしょう。

スタンディングオベーションの中、涙を流すヘレン。

彼女にとっても忘れられない最後の日本公演となったはずです。


ごくろうさまでした。

そして、どうもありがとう。

   
↑3年ほど前に貰ったサイン。             ↑当日のチケット

余談だが、the feeling is mutual はオリジナルより別ジャケのこれのほうが数段センスがいい。