The Musings Of Miles (Esquire) / Miles Davis
例えこのレコードは初見の方でも、デザインに‘クセ’のあるレーベルですから、
一目見てESQUIRE(英)と看破された方もおられる事でしょう。
プレーンな白色かクリームを背景に、大文字だけを配置するデザインの多いEsquireですが、
このジャケットのように人物を大胆な構成で描くのもひとつのパターンにしているようです。
せっかくの珍しいMILESのワンホーンカルテットなのに、
Prestigeの無粋なオリジナルジャケットでは食指が動かず、
購入に消極的な僕にはうってつけのグッドルッキングジャケットです。
『Musings Of Miles』
言葉の通り、物思いにふけるマイルス・デイビス。
衒いのない速球一本のストレートなジャケットですが、これはこれでベリーグッド。
Broken Wing(Cornelia)/Chet Baker
若かりしChet Baker、特にPacificのSingsあたりのイメージを引きずったまま
後期の彼になだれ込んでいくと、同人とは思えぬ変貌振りに以降拒絶反応を示してしまう人がいる。
さもありなんとは思うけど、この荒んだテイストこそが『極上の旨み』なんだと
深く心に認識するためにはある程度齢(よわい)を重ねる必要があるのも事実。
ヨタヨタのペットも皺くちゃの顔もまたChetの生き様、人生の年輪なのだ。
雨後のタケノコのように次から次へと出現する後期Chetの音源からは
好録音のみを抜粋して今後CDも含めて紹介していこうと思う。
まずは、これ。
『Broken Wing』というタイトルは、幼稚な暗示で僕の好みではないが、
(単純に曲名をそのまま使用しただけかもしれないけど)
内容はボサあり、ボーカルありでペットも好調、ツンツンベースも愉しめるグッドアルバムだ。
左側写真のCDは高価な値で取引されているようだが、
同内容の右側は+2曲追加されて現在もアマゾンなどでネット購入できるようです。
Ballads②(Impulse)/John Coltrane
これは紫を基調に女性を描いたイギリス盤の別ジャケットだ。
古来紫は気高い色とされ、仏教では高位の大僧正のみが法衣の着用を許されるが、
シーサーやクレオパトラも愛した色で、古代ローマでも権力者の象徴色であり、
ローマ法王の法衣も、イギリス王室も戴冠式に着るガウンもまたこの色だ。
ジャケット裏にデザイナーの名前がクレジットされてあり、つまりこのFrank Watkinsと言う人は
Balladsを聴いて、高貴な紫色こそこのレコードジャケットにふさわしい色だと考えたのではないか。
と、あまり使われない配色なので
たかがレコードジャケットでもそこまで空想の世界は広がります。
じっと見つめていると、じわりと味わいが出てきますよ。



