Personal Appearance (Verve) / Sonny Stitt
初期国内盤レコードのペラジャケを子細に眺めると微笑ましい発見が所々にあり、
親や諸先輩から伝え聞く、当時の日本の産業技術レベルを時代考証さながらに実感できる。
今までにも書いてきた事だけど、
ジャケット写真への微細な色付け加工や、ジャケ裏解説の文字フォントや仮名遣い、
盤ではフラットディスクや溝のありなし、センターレーベルのデザインにまで歴史を感じて興味は尽きず、
音質の良し悪しだけで切り捨てる人は不感症ではないかとさえ、思う。
(というか音質も馬鹿に出来ないものが多い。)
掲載レコードの発売は、解説文からすると1962年(昭和37年)。
同時期発売の他のペラジャケと比較すると、盤は溝アリではあるが薄く軽い。
存在感あるズシリと重たいレコードに口元が緩んでしまう習性が僕らには少なからずあるけれど、
経済設計でのモノ作りに腐心した結果誕生した当時最新のレコードではないかと考えを改めると、
僕も物を作る側の人間として敬意を表さずにはいられなくなる。
この頃は、きっと半年毎に新しい仕様のレコードが発売されてたのではないだろうか。。。
今で言うところの、携帯電話や薄型テレビって感じかな。
The Jazz Message of (Savoy) / Hank Mobley
壁面を彩る、廃盤レコード店ご自慢のラインナップたち。
人気盤ともなれば、購入を悩んでいる間にもどんどんと嫁ぎ先は決まり、
懐具合とクソ度胸と、そして何よりも運を持ち合わせた三位一体の攻撃をしかけなければ
高価なレコードなど手中に収める事など到底できなかったものだが、
今は昔。
不景気だけが原因ではないのかもしれないが、本盤は初見から一ヶ月後の再訪時にも売れ残っていて、
大好きなモブリイだし、縁を感じて購入を決めた。
確かに店主の心遣いも決断するきっかけにはなったが、
何よりも大きかったのはBLUENOTEで聴き慣れた筈のモブリイのテナー音が、
SAVOYのオリジナルでは一聴して全くの別人のように感じたこと。
国内盤で耳慣れた音源も、別アルバムを聴いたかのように新鮮な印象を受け、
同じRVGカッティングでもプレス機や材質でここまで変わるものなのか、と驚いた。
優しく囁くような語り口、バラッドこそが彼の真骨頂。
連日連夜ターンテーブルに載せるヘビーローテイションこそが、愛聴盤の証し。
買ってよかった。
※リーダー名義は特定の名前がないようですが、闇夜に亡霊のように浮かぶ印象的なジャケットから、
個人的には主役はMobleyだと思っています。国内盤の帯は彼の名前でクレジットされていましたよね?
Workin'(Barclay)/ Miles Davis
ときにオリジナルのジャケットデザインを大きく凌駕する欧州盤に出会って
受ける印象の変わったレコードが僕には多々存在します。
そのうちの一枚がこれ。
ぼくが初めてMilesのプレステッジ一連の4部作を聴いたときの印象は
ずいぶんやっつけ仕事だなぁというもので、
後々本だったか人から聞いた話だか覚えていないけどマラソンセッションの事情を聞いて
『さもありなん!』と膝を打ったわけですが、
その後もずいぶん長い間最初に受けた印象をぬぐえずにいたのは事実で、
このジャケットに出会い4部作に対する愛着の度合いは倍増したと思っています。
visual面をも大切にする僕は、の話ではありますが、
単純すぎますかね。

