ビエルソでワイナリーを見せていただいたところまでで、一応仕事は終了。
お疲れ、あたしってことで、カスティーリャ・イ・レオン州を後にして、ガリシア州というスペインの北西部、大西洋に面した場所に移動します。
赤い線で塗ったところ、マドリードから出発して、手書きでポンフェラーダと書いた場所辺りまでがカスティーリャ・イ・レオン州で、そこから先、ポルトガルの北にあたる部分がガリシア州です。
ガリシア州はポルトガル語に近い言葉、ガリシア語を話します。
耳に聞こえる感じは柔らかく、シュ、シャなどの音がします。って言っても、外国人の私相手には、皆さんガリシア語は使わないので、あんまり生のガリシア語を聞く機会がなかったなぁ。
スペインという国はホント、各自治州が結構権限を持っていて、祝日も各州ごとに独自のお休みがあったりします。
言葉も又しかりで、通常スペイン語と呼ばれる言語は、中央のカスティーリャ・イ・レオン州や首都であるマドリード近郊で話される言葉(カスティリャーノといわれる)を指します。
バルセロナを中心とするカタルーニャ地方では、勿論カスティリャーノも通じるけれど、カタラン人はカタラン語で会話をします。
上の地図で右上にあたるサンタンデル、ビルバオと書かれている一帯はバスク州(スペイン語ではPaís Vascoと呼ばれ、直訳するとバスク国、別の国になってしまいます)で、この地域ではバスク語が話されるのです。
南のコルドバ、セビーリャ、グラナダ、マラガと書かれている辺りはアンダルシア州で、アンダルシア語というのはないのだけれど、カスティリャーノからSを取ったような訛りがあって、よーく聞かないと何を言っているのか分からないことがありました。
ガリシア州で最初に行った町はフェロール、ガリシアの北に位置し、地図に手書きでフェロールと書いてある所です。
入りくんだ海岸線のことを「リアス式海岸」といいますよね東北地方の太平洋側、岩手県や宮城県の三陸海岸などが典型的なリアス式海岸なのですが、実はこのリアス、スペイン語なんです。ria(=入り江)に複数形のsをつけたriasです。
フェロールの町もこのリアスの海岸線にあります。
仕事も終わり、最後の3日間はバケーションにしたので、ホテルはパラドールに泊りました。
パラドールとはスペインの国営ホテルなのですが(現在93箇所にあるそうです)、古城や修道院というような歴史的建築物を修復してホテルにしている所が多く、グラナダのアルハンブラ宮殿の中にもパラドールがあります。
値段も大手のチェーンホテルと比較してもさほど高くなく、というか、歴史的付加価値を加算すればむしろ安いかなと思える所もあります。
フェロールは軍港の町で、フェロールのパラドールはかつて海軍の施設として使われていたそうです。
奥の柱に付いている水色のH(=ホテルの印)がなければ、通り過ぎてしまいそうです。
船具を用いた内装で、サロンや階段は船舶や航海にまつわる品々や世界地図などで飾られています。
しかし、軍港なのにこんなに展望しちゃっていいんだろうか…
この塔は何だか不明だったのですが、お天気、ガリシアに入って急に雨が降りそうになってきましたよ。ガリシア地方は俗に緑のスペインと言われ、雨が多いのです。
ガリシアに行ったら絶対これを食べるんだ
と、心に決めていたプルポ・ア・フェイラ(プルポ・ガジェゴ)。日本のスペインレストランでこの料理を出しているお店も多いけれど、このタコだけは断然スペインで食べた方が美味しいです。
何故なんだろうまずね、日本のレストラン、タコを薄く切りすぎる。この写真のように厚く切って下さい。茹でたタコにオリーブオイル、パプリカ、岩塩をかけただけの超シンプルな料理なんだけど、激旨
しいて言えば、個人的にはジャガイモが入っていない方が好き。ガリシアでもタコは高いんですよ。これで8ユーロ(約920円)だったかな…イモで嵩増しされたら何か損した気分になるでしょまあ、一番海岸沿いの、明らかにゲルマン系と思しき人たちがパラソルのない日向に座っていたくらいだから、観光客相手のお店なんだとは思うけどね…って、お天気なんですが、ランチをしていたら晴れてきました。
ランチがすんでから街を散策。ガリシア地方、大きな窓のある家が多いです。
南のアンダルシアに行くと、暑さを避けるためか窓が小さい家が多く、この写真の様に出窓にしたり、全面ガラス張りにしたりという家はありません。
スペインも北と南では色々違うんだな~なんて思いながら歩いていました。
カスティーリャ・イ・レオンと同じ、石の文化なんだけれど、どことなく違うんですよね。
何となくしっとりしているというか…
テラス部分を出窓にしてしまう程、陽光が恋しいんだろうか…やはり雨が多い土地なんですね、ここは。
カスティーリャ・イ・レオンでは、肉・肉・肉の毎日だったので、ガリシアに来たらやっぱり魚介料理でしょ~
夕食はパラドールで食べるのもつまらないので、良さそうなレストランを探しに出かけたのですが、あまりピンとくるお店がなくて…
このワインの品揃えに誘われて入ったお店。メニューを見せてもらったら全部、肉やチーズのオンパレード![ドクロ](https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/152.gif)
![はてなマーク](https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/040.gif)
画像がブレブレなんで小さく載せますね。左はイカ、右はペルセペス(亀の手)と呼ばれる藤壺の一種です。
でも、この日はこういう面々は食さずに、結構伝統的なガリシア料理にチャレンジしました。
カルド・ガジェゴと呼ばれるガリシア風スープ。ちょっと見、味噌汁の様ですがジャガイモがくたくたに煮込まれています。そしてキャベツ。とてもあっさり~なスープです。
でも…量が多すぎ
これで結構お腹一杯になっちゃいました。
勿論サラダも食べました。スペインのトマト、甘くなくて旨いです
たのんでいなかったのに、何故かポテトチップスが来ました。自家製です。
これはこれで美味しかったんだけど、ポテトのスープといい、ガリシア人ってイモ好き
メインです。ココチャス。メルルーサ(タラの一種)の下あごの部分だけを使った煮込み料理で、これもガリシアで絶対食べたい
と思っていたもののひとつです。コラーゲンたっぷり、プルップルです。
食べている途中の画像の方が分かりますね。メルルーサ1尾で1つしか取れないので、いったいいくつ入っていたんだろう…最低でも10個は入っていたと思います、もっとかも。
ちょっとブレちゃいましたが、SGさんは魚のソテー。これも量が多い。
勿論ワインは白でしょ~
アルバリーニョというブドウからつくられたガリシアのワインをいただきました。
お料理はちょっと多かったけど、最高に満足。
で、アップで撮るのを忘れたのですが、ガリシアのパン、美味しいです。
日本のフランスパンのよう。外はパリパリなのですが、中がしっとりしているの。
バリャドリードのパンはボソボソしてて固かったんだけど、ガリシアのパンは美味しい どうしてこの美味しいパンがスペイン全土に広がらないのか不思議でなりません。
ガリシアの旅は続きます。