嗚呼 今日が終わる

明日がその闇を見せる

昨日という束縛から解放されず

今日という鎖を介して

深夜をゆるりとやり過ごし

気だるい朝を向かえ

ウザッタイ昼の光を浴びて

静寂の夜に身に纏う

どれが どれが 明日のヴィジョンか

目の前を遮る白い靄を手で払い

耳に纏わりつく音を遮断し

色彩という名の悪魔を滅ぼす

身体という媒介を忘れ

感覚という嘘を捨てる


そうすれば逝けるだろうか

神とやらがいる場所へ

神なんかいない場所へ

二度と会えないかもしれないという恐れが

僕の言葉の中に滲み出る

他の誰にもわからない程の繊細さで


緑の葉から雫が落ちるような

雲がゆっくりと流れるような

煙突の煙が昇っていくような


そんな他愛もない光景に


例えば嵐が来るように

例えば転校生のように

例えば卒業のように


僅かな悲しみと

僅かな切なさと

僅かな失望と

自分の無力さを胸に

誰にも知られないように

吐き出していくんだ

飲み会の後の帰り道独りで歩いていると

急に切ない気持ちでいっぱいになった

夜道に響く靴音が胸の奥に染み渡る

なんだか 取り残された気分


”今日は告白とかしたの?”

送別会だったので色恋話にも華が咲き

帰りの改札前で聞かれたこと

それが何を意味しているのかわからないけど

相手に少しでも気が合ったとか

本当は好きだったんじゃないの的なノリなのか

連絡先も知らない今となっては終わった話

戸惑い 顔が赤くなるこの気持ちは何なのか


雨の降った後の駐輪場

濡れたサドルを掌で拭って

冷たいそれにまたがって帰る

ため息と一緒に出た白い息は

少しずつ広がって夜の闇に吸い込まれる


当り障りのない会話を楽しむだけじゃ

心開いたことにはならないのかな?

ちょっとしたドジで笑いを誘って

赤面しながら笑い合う

心を開くって こういうことじゃないのかな


”笑って心開いたら 貴方のことを好きになった”

切ないメロディーで紡がれる言葉を

自分に当てはめてみたりして

また独り 自分の部屋で考えてみる

ネガティブだとか ポジティブだとか

そんな言葉で終わらせるのは寂しい


足場のなくなった部屋を見て

そろそろ掃除しなきゃなんて考える

ステレオからは明るい曲調

そんな気分とは ほんの少し違う


もっと雨が降ればいいのに

とことんネガティブになりたい夜もある

そうなりきれない中途半端な夜

辞めようと思ったタバコも

しばらく続いてしまうのかな