何にもない一日が
そうでない一日に

シンプルな一言が嬉しい

蝉が断末魔を叫び

僕の目の前をポトリと落ちる


すぐ側まで近寄ると

身体をバタつかせ羽ばたく姿を見せ

力尽きて動かなくなる


一つの命が尽きる

あっという間の出来事

この夏見慣れた光景


転がる屍の横を

恐る恐る通り過ぎる

幽霊を怖がるみたいに


命が宿っているということ

それを不快に思ってしまうこと

目を背けている


ニュースでは知らされない

知らなければよかったこと

知ってしまった 偶然に


なんて 僕は弱いのだろう

滴り落ちる汗を拭う時
メガネを外してタオルで顔を拭く
見えてたものが見えなくなって
半径数十センチの視界

僕が見える世界はこんなに狭くて
きっと自分を確認することすらおぼつかない
メガネをかけて遠くを見渡せた気になってたのかな

ほんのちょっとの世界で
身近な人と過ごせたら
見えなくていいものを見ないでいれる
それもある意味幸せかな

何かを大きく変えたいとは思わない
些細な変化の連続に気付けて
それを感じて生きていけたら

思っているより人は物事は見えてない