地方出身者が一度は憧れる街 東京

華やかで 自由で 時代の最先端

があるような気がしてた


実際に流行の発信地であり

華やかで若者の街でもある

街にはそれぞれの特徴があって

すべて一緒なわけではないけれど

まるで蟻のように人が歩いてる


ゼミ合宿のバスチケット購入のため新宿へ

埼京線に揺られて三十分程度

決して遠い距離ではない

けれど 僕にとっては遠い場所だった


高層ビルに囲まれて太陽は見えない

それなのに照り返しで茹だる身体

生命保険会社を糾弾する看板

小田急の前の喫煙スペースで

サラリーマンと一緒に眺めて見てた


ユニクロのポロシャツとGパンという姿

なんだか自分が情けなく思えて

逃げるように待ち合わせ場所に向かう



用事が済んで蕎麦をご馳走になって別れる

冷えすぎた空調に上がり過ぎた気温

死にたいなんて思うときがあるけど

そのうち僕らは勝手に滅びるんじゃないだろうか


KUMAと言う海賊版Tシャツを着た熊男と待ち合わせ

嗚呼 彼といるとなんだか安心してしまうんだ

HMVからタワーレコードをハシゴして

マキシモパークのフリーライブを見る

本気で音楽をやる男はかっこよかった


値段の上がったマクドナルドを食べて

紀伊国屋でソラニンという漫画を買う

ヴィレッジヴァンガードで見かけて気になってた

今度誰かに勧めてみようかと思う



たったこれだけの事をしただけなのに

ひどく疲れて眠ってしまった

東京はとても広くて狭い

多分 一生慣れない土地なのだろう


僕には埼玉くらいの土地が丁度いい

ほどよく都会で ほどよく田舎


明日もいい日だといいな

相変わらず蒸した部屋は暑くて

何もかもを忘れて眠ってしまいたいと思う


夏が暑いのは当たり前であって

それに対して怒るのは筋違いだけど

そうでもしないと発狂してしまうかもしれない


バイトへ行くという行為が一日の中心で

それ以外はサブイベントのようなものだ

朝起きてテレビを見て歯医者に出掛ける

テレビゲームをして暇を持て余して

思い出したように文庫本のページを捲る


気が付けば一日は終わろうとしていて

狭い部屋の中で悶々と考え事をして

眠気を通り越した頃に寝る


睡眠欲のままに寝るといったことを

最近していないような気がする

既に眠くなくなった頃になって

事務的に瞼を閉じる



予定がある日は気が重く

予定の無い日は途方に暮れる


一体どうしたんだろうか

消費されていく毎日を変える方法


明日を生きる為の活力をください

夏がやってきて
八月の夜が過ぎていく

生暖かい扇風機の風
オレンジ色の豆電球
籠もったラジオの音

昨日の夜に散歩したら
以外と涼しい風が吹いていた
あまりにも部屋が暑くて
一服しようと外に出た
部屋と変わらぬ暑さだった

違う銘柄の煙草の味は
僕の気持ちをも変えるのだろうか

隣の家の室外機の音
朝刊を運ぶバイクのエンジン音
力尽きた蝉の死骸が二つ
謎のビニール袋
肩に貼った湿布のニオイ

唐突なメールに戸惑って
まだ返信できずにいる
やっぱり メールって少々わずわらしいかも
なんて思ったりしながら

多少の気持ちの変化
友人からの結婚の話
アニメのエンディングに友達の名前
頑張ってるなぁ…

そういえば明日は歯医者だっけ
パスポートの申請もしなくちゃ
気になるあの子とお近付きになって
少しずつ自分を変えていって
卒業論文も書いて

やることはいくらでもあって
時間なんていくらでも作れたりして
それなのに忘れたりする

今日がまたやってくる