ディズニー長編アニメの実写化映画からの名言。
今回紹介するのは、1991年のアニメ映画の実写化作品で、
昨年に公開された『美女と野獣』から。
街の女性たちの憧れの的であり、
自分を正義感が強くいい人間とアピールするガストン。
物語の主人公であるベルを我がものとしたい彼は、
城に住む野獣を退治に向かおうと皆に呼びかける。
ベルは野獣の姿をした王子の持つ優しさを知っていた。
ガストンの内面にある強い嫉妬と傲慢で攻撃的な心、
それこそが「野獣」であることに気づいたベルの言葉。
怪物は彼じゃない、あなたよ!
彼は誰も傷つけないわ。
映画『美女と野獣』予告編
監督は、公開中の映画『グレイテスト・ショーマン』で
脚本を担当したビル・コンドン。
主人公のベル役は、映画『ハリー・ポッター』シリーズで
ハーマイオニーを演じていたエマ・ワトソン。
紹介した名言で、映画『ナルニア国物語』の原作者である
C・S・ルイスの次の言葉を思い出した。
世界中の人間がだれ一人として
まぬがれることのできない一つの悪徳がある。
人びとはそれを他者の中に見て嫌悪を感じるが、
自分もその罪を犯しているとはほとんど夢想だにしない。
この悪徳とは何か。
それは傲慢あるいは自惚れである。
悪魔が悪魔となったのは、高ぶりのゆえであった。
高ぶりは、人を他のすべての悪へと導いていく。
それは完全に反神的な心の状態である。
そして、傲慢は本質的に
自己が「他と競うとき」に生まれるものである。
自分の中の「正しい」を他の者にも要求するとき、
そして自分の「正しい」に他の者が従おうとしないとき、
人は時に、自分の内に「野獣」を宿すことがある。
自分が正しき者だとアピールするかのように人を非難し、
その攻撃的な心に従い「怪物」へと変貌してゆく。
現代の社会にモンスター○○という言葉があるように。
彼らは自分の思い込みの正しさで、人を攻撃する。
映画『スター・ウォーズ』の中でヨーダはフォースについて、
「怒り、恐れ、攻撃的な心」 はダークサイドだと語る。
聖書では「この世の神」と呼ばれるサタン(悪魔)の誘惑だ。
隣人を自分のように愛することを望む「天の父なる神」と、
人間の限りない自己利益と快楽の欲望を好む 「この世の神」。
そのどちらの性質も私たち人間の内にあり、
どちらに仕えるのかは、私たちの自由による選択である。
傲慢だったがゆえに魔法で外見を野獣にされていた王子は、
ベルの優しさによって気づいた自分の内にある愛を選び、
攻撃してくるガストンに「私は野獣ではないんだ」と話す。
この映画で語られる「野獣」というメッセージ、
その真の意味を忘れないでおきたいと思う。
今回の曲は、映画『美女と野獣』から同名の主題歌で、
アリアナ・グランデとジョン・レジェンドのデュエット曲。
アニメ版でも主題歌だった楽曲のカヴァーで、字幕付きです。
Beauty and the Beast / Ariana Grande, John Legend