#96 The 焼肉ムービー プルコギ (2007) | 映画の楽しさ2300通り

映画の楽しさ2300通り

ある映画好きからすべての映画好きへの恋文
Love Letters to all the Movie Lovers From a Movie Lover

ジャンル:家族・友情
製作国:日本
監督:グ・スーヨン
愛するポイント:ガチンコのようでゆるめのフードバトルが楽しい。白肉美味しそう!

 



一時日本だけでなく(多分)世界的にもブームを巻き起こしたフードバトルの焼き肉版。それも関東人にはいささか馴染みの薄い「赤肉vs.白肉」の対戦。
まあ肉好きにはどっちでもいいんじゃないかい、的なゆるいプロットで、松田龍平というゆるい俳優が演じるゆる~い楽しさの中に、家族の愛憎をしっかり見せる本場韓国味の日式(イルシクと読んでください)焼肉映画です。

フードバトルと言えば緊張感のある設定のはずですが、全体的にゆるい造りなのが本作の特徴。龍平だけでなく相手役の山田優も敵役のARATA(写真右端)もなんとなくとらえどころがなく、ストーリーにも緊密さが感じられません。
のですがそれが欠点ではなく味になっているのが楽しいところ。ARATAって雰囲気があるけどあまり見かけないような、と思ったら、なんのことはない、現在放映中のNHK大河「光る君へ」で藤原道隆を演じた井浦新でした。

そんなゆるい設定のゆるい展開とは言え、田村高廣桃井かおりら芸達者が要所をしっかりと締め、特に本作が最後の映画出演となった田村高廣のセリフ「何を食べるかじゃない、誰と食べるかだ」は僕の座右の銘となりました(映画もちょっとそういうところがあります)。
白肉やエゴマの漬け物の美味しさがしっかり伝わってくる点も韓国料理好きにはたまらないところ。特にコプチャンが美味しそうで、僕はこれで白肉に目覚めました(とはいえ白肉苦手な相棒がいるのであまり食べる機会がありませんが)。

監督のグ・スーヨンはどちらかというとCMディレクターの仕事が多いらしく、僕も知る有名なところでは「私脱いでもすごいんです」の監督だそうで。ノリの軽さが作品にベストマッチだったのだろうと思います。

 

ブロトピ:2024/06/02