Black Lives Matter。全世界でこれほどの広がりを見せるとは思っていませんでしたが、アメリカではそれこそ何十年(200年?)も前から深刻でかつ解決の方向が見えそうにない問題であり続けています。
当然映画のテーマにもなってきましたが、自分の観た内では「Do The Right Thing」と「クラッシュ」が最も印象に残っています。
「Do The Right Thing」は、今回のBLM関連報道でもコメントが取り上げられていたスパイク・リー監督が監督・製作・脚本・主演して1989年に公開された作品。今回の発端になったフロイド氏殺害そのままのようなシーンが含まれ、警察とカラードの対立にはいたりませんが、問題の根深さに圧倒される作品です。
「クラッシュ」は2006年にアカデミー作品賞をとっているのでご覧になった方も多いと思います。こちらには、BLMの拡大のさなかにやはり警官の過剰防衛といえそうな銃撃でアフリカンアメリカンのブルックス氏が射殺された事件をほうふつとさせるエピソードがあります。
いくつかのエピソードでかすかながら希望の光が見えるのが救いでした。
どちらも30年あるいは15年たっても古臭くない(こと自体が問題なのですが)、よく考えられ作られた力作ですのでぜひ見ていただきたいと思うものの、映画はハッピーエンドがいい(自分もたいていはそうです)とか、深刻なストーリーは好まない、という向きにはおすすめしません。ある種の覚悟が必要な作品と思ってください。