知りすぎていた男 The Man Who Knew Too Much (1956) ☆☆ | 映画の楽しさ2300通り

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ある映画好きからすべての映画好きへの恋文
Love Letters to all the Movie Lovers From a Movie Lover

ヒッチコック作品はかなり観たのですが、これは未見でした。

BSPで放映するというのでやはり映画好きの母(こちらは再見)に知らせたところ、早速観てみたが恒例のヒッチコック登場場面(カメオ出演)がわからなかったというので、確認もかねて初めて観ました(ちなみに自分も登場場面はわかりませんでした)。

さて観てみると、全盛期のヒッチコックらしいサスペンスとユーモアにあふれ、役者の特徴(ジミー・ステュアートの背の高さ、ドリス・デイの歌唱力、等々)を最大限いかした演出がまず楽しい作品でした。いまどき見られない感も満載なので、その意味でも見る価値あり、かも。「レイダーズ/失われた聖櫃」がちょっと似た雰囲気を持っていたような気がします。

見せる側と見る側が、さてこれはどういう意味でしょう?なるほど次はこうくるのでは?という謎かけ・謎解きのゲームに興じているような趣なのですが、一昔前のミステリー(いわゆる「推理小説」)がやはりこういう印象でした。

自分のようなそれこそ一昔前の映画ファンでも、とりわけ「懐かしい」という感想ではなく、最近のテンポの速いサスペンスをはらはら楽しむのと同じ次元で心地よく身を任せられるリズム感なのですが、今時の観客には古臭いのでしょうか。いや人それぞれだろうと思いますが、観てみなければわかりようもないわけで、やっぱり一度観てほしいと思う作品ではあります。