マイ・ブルーベリー・ナイツ My Blueberry Nights ☆☆☆ | 映画の楽しさ2300通り

映画の楽しさ2300通り

ある映画好きからすべての映画好きへの恋文
Love Letters to all the Movie Lovers From a Movie Lover

グラミー賞シンガー、ノラ・ジョーンズの演技の評価が高く、ナタリー・ポートマンがでているので楽しみにしていましたが、迂闊にも(いつものことですが)監督が「花様年華」のウォン・カーウェイであることを観始めてから初めて知り、期待がいやましました。結果は☆の数の通りです。

満足その1。マドンナ初め歌手にはナチュラルな芝居をする人が多いと痛感。ぎごちなささえ演技に見えるのは脚本・演出のおかげもあるでしょうが、自分を変えたいと思う若者をノラが見事に演じています。
満足その2。ますます美しいポートマンは役者としてもさすがの貫禄。荒野の背景さえよく似合っていました。
満足その3。働くジュード・ロウのかっこいいこと。エリザベスを探し出せない不器用さも自然で魅力的でした。
満足その4。レイチェル・ワイズが、知的で可憐で健気だった「スターリングラード」とは打って変わったワイルドで自堕落な女を好演。後に控えている「ハムナプトラ」、「ナイロビの蜂」がますます楽しみになりました。

そしてウォン・カーウェイの演出にも満足。対象から少し離れることでその輪郭から内面までくっきりと際立たせる演出に魅了されます。またドアやカジノのチップ等々の無機的なモノに温かい血を通わせる手腕が見事です。それ以上に嬉しかったのはハッピーなエンディング。底が浅いという人もいそうですが、現実的には納得の行く結末でしょう。「花様年華」も素晴らしかったですが、何度も観るならこちらにしたいです。

などと考えていたら、朝のテレビにノラ・ジョーンズが出ていました。新作のプロモーションで来日中のようです。今度はどんな姿を見せてくれるのでしょうか。