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迷欧徊覧実記

気ままな欧州遍歴の備忘録です。

コソボから戻り、旅の後半は北マケドニアの首都スコピエを散策。

 

入国当初は、中央駅周辺の不穏な空気や、郊外の荒涼とした風景にやや面食らった。

しかしスコピエ中心部に来てみると、実際には非常に整備された観光都市であることがよくわかった。

某大手旅系YouTuberの泊まっていた帆船型ホテルも、変わらず営業していた。

 

中心に鎮座するアレキサンダー大王像。

「マケドニア」を名乗る国にとって、象徴的な英雄。

 

アレキサンダーのすぐそばには、マザーテレサの生地跡。恥ずかしながら、マケドニア出身とは知らなかった。

 

そしてその付近に、マザーテレサ・ハウスなる場所も。

アレキサンダーとならぶ、マケドニア有数の観光資源ということか。

 

スコピエにはアレキサンダー以外にも、とにかくやたらと巨大な像が点在。

マケドニアに関係する古今東西の人物をかたっぱしから立体化して、街を無邪気にデコレーションしている印象。

 

少し早いが、アレキサンダー広場の観光客むけレストランで夕食。

地元のビールにあわせ、ローカル料理だというミート・シチューを注文したところ、これが大当たり。じっくり煮込まれた牛・豚・鶏のやわらか肉が絶品だった。

物価が安いのも、なにげにうれしい。

 

腹がふくれたところで、旧市街にあるこの日の宿へ。

旧市街はアラブ・ストリートとなっており、アレキサンダー広場の新市街エリアとは全く雰囲気が異なる。

中東のようなオリエンタル感も同居する、スコピエの奥深さ。

 

土産物屋には、どこかで見たような顔もチラホラ。パテントをとっているとは到底思えない(笑)

 

ホテルにチェックインしてひと眠りしたあと、夜の散歩に出た。ハイシーズンはにぎわうのだろうが、この時期の落ち着いた静寂もまたよい。

 

翌朝、飛行機までの時間を使って、市街中心部に鎮座するスコピエ要塞に行ってみた。

 

中世風の城郭。早朝なので周囲にはだれもいない。

 

最上部からはスコピエ市街が一望できる。

 

スコピエ要塞のふもとには、またしても巨大なアレキサンダーが屹立。

 

北マケドニア、思った以上に愉快な国だった。さすが、民族的連続性を無視して「マケドニア」を僭称するだけある。(アレキサンダーはギリシャ系、現在の北マケドニア国民はスラブ系)

日本からの旅行先として選ぶ場面はなかなかないだろうが、欧州のユニークな穴場として、行って損はない国だと思う。

 

スコピエ空港で、出発までの待機時間に一杯。

 

つぎのバルカン旅も楽しみだ。

 

2025年2月、念願のバルカン諸国ひとり旅を決行。

2泊3日の旅程で選んだのは、コソボと北マケドニアだった。

 

まずは北マケドニアに着陸。スコピエ空港の周囲には、荒涼としたバルカンの大地がひろがっていた。

管制施設は年季入りだったものの、ターミナルビルはピカピカの新築。観光立国としてやっていく意気込みを感じる。

 

この日一気にコソボ・プリシュティナまでバスで向かうべく、まずは空港からスコピエ中央駅のバス・ターミナルをめざす。

しかし日曜ダイヤのため、市街地への次のバスは2時間後。貴重な時間を浪費するわけにいかず、やむなくタクシー(ほとんどボッタクリ価格)で向かうことに。

タクシーのオッチャンの「今日はもうプリシュティナ行きのバスはないよ! 俺が送ってやるよ! いくら出してくれる?」というカタコト英語の執拗なオファーに一抹の不安を感じつつも、断固拒否しつつスコピエ中央駅へ。

 

ぶじ到着したバス・ターミナル。途上国とまではいかないが、明らかに先進主要国とは空気感が違う。むろん、東洋人は全くといっていいほど見かけない。

チケット売場の表示も分かりづらくて難儀したが、総合カウンターで「プリシュティナ!」と伝えたところ普通に1時間後の便のチケットが買えた。(オッチャンめ…!)

 

街は全体的にひなびた雰囲気。外国人とみるや群がってくるタクシー運転手たちが、とにかく鬱陶しい。

ただ、オシャレに着込んだ女性や子供も普通に歩いており、治安が特段悪いとまでは感じない。

 

教会はやはり正教風。

 

プリシュティナ行きのバスはおんぼろのバン。自分以外の乗客は3人ほどだった。

 

スコピエからコソボ国境までは30分ほど。

夕闇の景色を眺めていたが、やはり西・中欧とは明確に雰囲気が違い、どこか途上国のような、荒涼とした印象が強い。山も街も、とにかく色あせている。

国境検問所では指示にしたがっていったんバスを降り、直接パスポートを出して手続。独立承認問題がまだ解決していないからか、出入国のスタンプはいっさい押されなかった。

 

国境からさらに1時間ほど走って、プリシュティナに到着。

スコピエより明らかに寒く、気温は氷点下に達していた。

 

ホテルまで数kmを歩く。

国境を越えたときから感じていたが、マケドニアよりも雰囲気が明るく、清潔感もあり、そして垢抜けている。

大手ファストフード店やコンビニも複数所在し、むしろアメリカナイズされている印象すらある。

「セルビア内最貧地域」の面影は、全くといっていいほどない。

 

通りの店には必ずといっていいほどコソボ国旗とアルバニア国旗が。

独立の経緯を考えれば、この愛国意識は当然か。

 

ホテルにチェックイン後、付近の繁華街を散策。

マザー・テレサ通りも整備されていてとてもきれい。治安の良さが伝わってくる。

 

地元の人でにぎわうバルカン・グリル店で夕食。

塩気が強いものの、よく焼かれていてとてもおいしい。

ビールがほしいところだが、ムスリム社会ゆえかアルコールは一切なし。こういった二面性もまた面白い。

 

ホテルに戻り、地元のビールで晩酌。

 

翌朝、なんと雪が積もっていた。

気温はあいかわらず氷点下で、なかなかにしびれる。

 

独立記念の「NEWBORN」モニュメント。

プリシュティナのランドマークのひとつらしい。

 

基本的にイスラム教が主流の国だが、正教会もそれなりに見受けられる。

 

マザーテレサ大聖堂。竣工は最近らしく、まだ真新しい。

 

護国英雄・クリントンをたたえる広場。

やはり現代史を体現する国である。

 

なぞの安倍晋三公園。住宅街の小高い丘に忽然とあらわれる。

 

昼過ぎには再びバス・ターミナルへ向かい、スコピエに戻るチケットを購入。

日本の地方駅のような、どこかなつかしい雰囲気。

 

バルカン・グリル店やカフェ、商店も複数併設されている。

ハイシーズンにはそれなりににぎわうのかもしれない。

 

今回は昼だったためか、大型バスだった。乗客も10人弱ほど。

 

「コソボ」という言葉は、子供のころニュースで見た遠い世界のものだった。

だが、今なおその国をめぐる諸問題は完全解決にいたっていない。それどころか近年の国際社会の混迷は、近隣諸国を含めたもろもろの情勢をさらに複雑にしている。

この曖昧な「いまのコソボ」を訪れることができたのは、間違いなく貴重な経験だったのではないか。縁起でもない言い方にはなってしまうが、コソボがウクライナのように「訪れることができない国」になってしまう未来も、決して夢物語ではないと思うのだ。

 

⇒北マケドニア:スコピエ

 

クロアチアからの帰路、天気もよかったので隣国スロベニアの名勝・ブレッドに立ち寄る。

 

岸壁にそびえたつブレッド城。快晴の下、ゆらめく湖面が美しい。

 

ブレッド湖は1周約6km程度のこと。散歩にはちょうどいい距離感。

西端のこの位置からだと、ブレッド島と教会、ブレッド城、アルプスの山々がちょうど一枚におさまる。

 

せっかくなので、見晴らせる山道も登ってみた。これもまた絶景。

 

 

ブレッド名物、ホテル・パークのクリームケーキ。サクサクのパイ生地とクリームが絶妙。

 

バルカン諸国は奥深い。