鶏騒動 ~Rakuen通信~ | Rakuenありす ~自然農園/農薬・化学肥料不使用

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孵卵器で孵ったペキンバンタムとポーリッシュの雛ダンテ。
生まれて初めて育児ノイローゼを体験したヒヨコ育て。
ダンテの娘アビーは神経質で、
乱暴者で大食いいたずら坊主の南部かしわ鶏。
棲息生物の方が運営者より強い「Rakuen」日誌です。

2024年5月19日

 

鶏騒動

 

 ここ数日、朱鷺(shuro)ことRakuen運営者は凹んでいる。

 雨が降るからと、先週の日曜日の夕方から扉を閉めっぱなしだったお稲荷さんがお怒りになっているのかも知れないと今朝は1週間ぶりに扉を開けてご挨拶をした。

 さて。

 まず、ダンテ。ダンテにとってヒトはママだ。至上の存在だ。ママが外(畝の辺り)をウロウロしていると、いつまでもいつまでもいつまでもジッと見ている。だいぶ遠くで新たな畝を作って姿が見えなくなると、網を飛び越えて外に出て畝崩しを始めたり、もう一人のママが生ごみを捨てに堆肥場に現れるのを待って大騒ぎをしたりする。

「ママが! ママが来たのに、ダンテを無視してまた行っちゃった!」

「ママがいるのにダンテを無視する!」

 と怒る理由はいくらでもある。

 そのダンテにとっての「ママ」だが。「ママ」は鶏雄にとっては交尾対象第一位であることは、ダンテのみならずジェーンがしつこくナミちゃんに交尾しようとしていた事例で判明している。

 その、交尾対象だが。

 ダンテにとっては、ヒトの足とか手とか…なんだろうか。

 ヒトに育てられた鶏の頭の中ってどうなっているのだろう。動物と話が出来るハイジに聞いてみたいものである。そういえば、彼女には、ハルくんについてもいろいろ聞きたいがことがある。霊障で一番反応があったのはハルくんだったから。

 ということは置いといて。

 足。足が一番手っ取り早いんだろうな。抱っこされると「スン」と大人しくなってしまうので、「ママ」が近くをウロウロしたり、近くにしゃがんで作業したりしていると、足に向かって羽をすりおろし(?)ながらシャシャシャシャシャとやって来る。そして、背中をつんつん突いてくる。

 という日常なのだが、ダンテにとって「ママ」の足は「ママ」そのものなのか、靴が変わると怒るのだ。特に長靴が変わるとそれは攻撃対象に変化してしまう。

 ダンテと遊んで蹴爪で切り裂かれた長靴をしばらく使っていたが、さすがに限界を迎えて先日長靴を変えた。すると、ダンテにとってそれは敵になってしまったようだ。その長靴を履いて近づくと(というか、単に餌をやりに行っただけ)それに向かって本気の攻撃がやって来る。長靴ってゴムだから、蹴爪であっという間に切り裂かれるような代物だ。そのときの長靴は新しいものではなかったのだが、これが新品にやられたら困ってしまう。

 何度首根っこを捕まえても下ろすとすぐに襲ってくるので、一度俺もキレてダンテを捕まえて地面に「べん!」と投げた。するとだいぶ(?)痛かったのか驚いたのか、それ以降、その日はまったく「ママ」に近づいてすらこなくなった。

 なんだか、寂しくなって朱鷺(shuro)はちょっと凹んだ。

 しかし、翌日にはもとに戻っていたのだが。

 そして、相変わらず今朝も長靴に向かって本気の攻撃がやって来て、戦いは続いている…。

 

 それから、クロムグループについて。

 除草剤にイライラして、最近はあまり外に出さなかったのだが、昨日は朱鷺(shuro)が作業する間だけと思って外に出してみた。そして、夕方近くなってふと道を見たとき、クロム、天ちゃん、メルハが隣家のまさに除草剤地帯に入っているのが目に入った。タム子とギンちゃんは家の畑で土浴びをしており、ラスティは何もない巣をあっためている。

(そういえば、メルハが抱卵を諦めてから、ラスティだけが頑張っていたが、他の子たちは別の巣に卵を産んでいるようだったので、ラスティのお腹の下を確認しない日が3日ほどあった。そのとき、卵が一個抱かれていたらしい。3日くらいなら良いや、と回収してきたのだが、実は3日ではなかったかも知れないし、もしかして3日で既に…ということだったのかも知れないが、共同運営者がホットケーキを作ろうとしてその卵を割ったら、すでに心臓が出来ていたらしい。発生学としては、心臓から先に出来るから、それは自然の摂理?ではあるが、ちょっと恐ろしい…)

 で、せっかく出してやればこれか! と、俺はだいぶ頭に血が上った。暑くて身体が疲れていたことでイライラが倍増していたことも否めない。

 こら~っ、と追い散らそうとしたら、何を思ったのかクロムがまっすぐに奥に向かってすごいスピードで走って逃げる。だから、雌2羽も雄の後に従ってまっすぐに走る。普通、鶏ってすぐに横にずれて逃げるのに、怒られてばっかりいるせいか、クロムは脱兎の勢いでまっすぐ奥へ行ってしまった。

 そして、自分はバタバタと飛んでさらに奥へ去り、雌2羽はそのときになって散会した。そして、伐採した木が積みあがっている中に入り込んでしまった。最初は多少追いかけてみたが、足場が悪すぎて諦めた。家の向いだし、現在、そこは無人なので隣家のニンゲンに迷惑は掛からないだろうと、放っておいた。

 その後、見に行ってみると積みあがった木の上にクロムとメルハがいたのだが、クロムは飛んでどっかに逃げ、メルハも姿が見えなくなったりするので、勝手に帰ってくるのを待った方が良いと思った。

 で、帰って来たのはクロムとメルハ。

 昨日は、天ちゃんは帰宅せず。

 そのときは、明日になれば戻ってくるだろうと安易に考えていた。夕方、猫に追いかけられた雛が、翌朝の餌の時間にどこからともなく現れたことがあったので。

 しかし、今朝になって餌を与えに行っても、伐採林の辺りに行ってみても、もう天ちゃんの姿はなかった。肉食獣にやられたのなら羽が散らばっているかも知れないと、中に入ってみたが、それらしい羽は見当たらなかった。しかし、その場で解体せずに、殺して連れ去れば羽は散らばらない。もう、狐に食われたんだろうと諦めた。

 諦めた筈なのに、やっぱり心は重い。

 昨日、外に出さなきゃ良かったと強く思った。

 相手が動物だろうと、植物だろうと、鉱物だろうと…相手がこうすれば嬉しいだろう、喜ぶだろう、幸せだろうと思って何かすることって実は単なるこっちのエゴであり自己満足だ。相手の幸せからフィードバックが欲しいだけだ。

 死んでしまうくらいなら、外に出す必要なんてなかったんだ。

 

 精神疲労で思わず昼寝しちゃって、天ちゃんがいなくなってしまった…という状況を写真に収めようと思って鶏小屋へ行った。

 すると、天ちゃんが帰って来ていた。

 うおおおおおおおぅっ、天ちゃん~っ♪

 と心で叫んだが、最近、怒ってばかりだったから、天ちゃんは怯えている。扉の前で中に入りたそうなのに、近づくと逃げる。扉を開けて中の鶏が出ないようにしていたのだが、天ちゃんを入れようとしているウチにクロムが外に出て、天ちゃんは入れ違いに中に戻った。近づくと元凶クロムは逃げるので、面倒くさくなってそのまま扉を閉めて現在に至る。暗くなって本気で中に入りたくなったら、バカなクロムも入れられるかも知れない。

 

 久々に登場のチビちゃんとレフ子。 

 

最近やったことといえば、ラズベリーの囲いを作ったり、網で囲っていた木の網を取り除いて水仙を植えたり、ジャガイモ畝の周囲にも水仙を植えたり…