2023年12月26日
鶏事情
鶏にもいろいろ、考えること、あるんだよ…
捕食者である猫と違って、食われる方の鶏は、「生きる」ことにのみ全精力を傾けている感じがある。つまり、生存本能と食欲だ。
猫は、愛情に敏感だから、ないがしろにされると怒るし拗ねるし、食欲以外の感情がものすごく豊富だが、鶏は「生きる」大前提で毎日を生活している感が強い。さすがに、ニンゲンに育てられたダンテだけはいろいろ感情の起伏が見られるのだが、他の子たちは、まず生存本能、そして食欲、以上! と言う感が否めない。
ただね、ペンペンも呼べばやって来るし、タム子も呼べば来るし、まぁ、これは食欲なんだけど、それでもコミュニケーションっぽいことがちょっと出来る。
昨年、ダンテとさっちゃんナミちゃんで旅に出たときは、だいぶ彼らと意思疎通が出来ていたような気がしていた。
さっちゃんはもともと卵を産みたくなるとうろちょろする子で、巣を作ってあげたらそこで産むようになったり、ヒトの住居スペースに入って来て戸棚に入ろうと試みたりすることがあった。そして、極めつけは、旅の間、猫用ゲージを車に積んでそこに鶏3羽を入れての移動だったのだが、こんな環境が激変したら卵産まなくなるだろうね、という俺らの予想に反して、さっちゃんナミちゃんは交替で卵を産み続けていた。
一度、ヒトを迎えに駅まで行く必要があって、さっちゃんナミちゃんは共同運営者に預けてゲージ毎出かけたことがあった。すると、卵を産みたくなったさっちゃん、共同運営者の傍でうろうろして、チラッとやつを見上げて、「さっちゃん、卵産みたいなぁ」という表情を見せたそうだ。「早く、巣に運んで」ということであろう。
「ごめんね、巣が今駅に行っちゃったんだよ」
「なんで?」
ということもあった。
おや? 生存本能と食欲だけじゃないじゃん…。
まぁ、その辺は置いといて。
そう感じたのは、今朝の事件だ。
今朝、ハウスに餌をやりに行き、そのついでに、ちょっと手直ししようと思っていた箇所があった。一昨日辺りから、トニー達の囲いの周囲に置いていた段ボールが食いちぎられていて、段ボールを食ってんのか、こいつら…とげんなりしていたからだ。
堆肥場を作ってもらったときに余った屋根用トタンや、壁用透明トタンの切れ端をもらっていたのだが、透明の方は、ペンペン達の運動場の囲いに使った。今朝見たら、一応機能は果たしていて、雪の吹き込みが減っていた。それでも、水を飲むとき足が冷たいと言われるかと思って、敷き藁として取っておいた枯草を敷き詰め、昨年の麦わら(ちょっと実付き)をお遊び用に置いた。
屋根用トタンは最初育苗スペースやハーブ園地に立てかけて鶏除けにしていたのだが、段ボールを撤去するにあたって、もう仕方がないので、そのトタンの切れ端を使うことにした。
すると、トタンを設置している間に、パニックを起こしたトニーが囲いから飛び出してしまった。困ったと思っていたら、ダンテも、ダッキーも、よそ者雄だ、とばかりに突いて追い回す。ほう、とちょっと思った。トニーよりダッキーの方が明らかに年下なのに、やはり群れのボスは強いのだ。
最終的に追い詰められて尾羽を掴まれ、憤慨した朱鷺(shuro)に首を掴まれて囲いの中に投げ込まれたトニーは、しかし、囲いの中に戻った途端、ジェーンを蹴散らして普通に餌を食べ始めた。
命が助かったら、もう勝ったことなのである。
鶏って…生きていればそれで良いんだ…としみじみしてしまった。
トニー達3羽の中では、マクギーだけが人懐こくて、すぐに捕まる。そして、何かをあげようとすると真っ先に寄ってくる。
マクギーが一番華やかだし、懐いているのでちょっと可愛い。
春になったらrakuenに植えようと思っている植物。
柑橘類。レモンと和製グレープフルーツ。ハウス内で育てたら実がならないかなぁ。
雪に閉ざされて暇な猫たち。