運命のボタン | アリスの映画鑑賞日記

アリスの映画鑑賞日記

見た映画を、毒舌を交えて紹介していく映画ブログ。ホラー映画過多気味ですが、気にしない気にしない。

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 舞台は1970年代。

 足の悪い女教師と、NASA職員の夫の家の前に、ある日一つの箱が置かれる。

 翌日、顔の半分えぐれた謎の老人が、妻に突然の提案をしてくる。

 箱の中身である、謎のボタンを24時間以内に押すか押さないか決めてくれと。押した場合は、夫妻の知らない誰かが死ぬことになるが、代わりに彼らは100万ドルという大金を手に入れることができる。押さなければ何も得ることはできないが、誰も死ぬことはない。

 人間の倫理観、正義感、欲望に訴えかける、究極の心理ゲーム・・・・と、思わせておいて、結構あっさりボタンの決着はついてしまいます。

 問題はそれから。

 顔のえぐれた老人に付きまとわれ、第二、第三の選択を迫られていく若夫婦。

 あれあれ、なんだか急に《そっち系》の話になっていきます。

 大いなる存在、人類の滅亡、洗脳(?)されていく人間たち・・・。

 知り合いや町の人たちが、鼻血を出しながら何者かに操られていく不気味さは、「ボディ・スナッチャー」的で結構好きなのですが、いかんせん設定が生かされていないだけに、《蛇足》な印象しか残りません。

 図書館での第二の選択に意味があるのか。妻の足の設定もどうでもよい。そもそも時代背景を70年代にしたことの理由はなんなのか。

 いっそ、人類に発見させられることを恐れた火星人の陰謀とか、ストレートに「大いなる存在の人類人減らし大作戦」のまんまで良かったんじゃないだろうか。

 あちこち謎のまま放置される事件が多すぎる。

 そして、夫妻には全く救いの道が残されていないのも気に入らない。

 少なくとも、選択次第で助かる道もあっていいんじゃないのかい?

 ってか、第二の選択の時点で、夫妻は赦されるべきだったのではないのか。じゃなきゃ、妻の泣き損・・・。顔の傷と妻の足の同情シーンは、まったく意味のないことになる。

 なんだか、1時間のドラマを、無理やり一本の映画に仕立てた感のある、ポカーン映画です。


《私の評価》


    ☆☆