リミット

　登場人物、ひとり。

　ロケ地、棺桶。

　以上。

　テロ組織に拉致され、地中に埋められた主人公が、棺桶の中でじたばたするお話。

　棺桶の中の空気がもつかとか、それ以上にこのシチュエーションで映画一本持たせられるのか、という意味でハラハラするかもしれませんが、「棺桶」限定のシチュエーション一点突破で、ほぼ主人公ひとり芝居状態でありながら、全然飽きさせない作品になっています。

　空気が薄くなっていく中で、助けの求められない焦燥感。

　助け手を見つけられても、自分がどこにいるかもわからない手探り状態。

　命綱である携帯の電源は、しだいに少なくなり、テロリストからは無理難題を突き付けられる。

　焦り、葛藤、怒り、絶望・・・。

　「テロリストとは取引しない」とするアメリカ政府が、果たしていち一般人を助け出すことが本当にできるのか。

　大事な場面で大事な人につながらないところとか、手際の悪さとか、死にかけている絶体絶命の人にクビを宣告する冷酷さとか、本当にリアルでやだなあ。

　自己責任とか、いろいろあるだろうけど、とりあえずイラクに行っちゃダメだということが、よくわかりました。

《私の評価》

　　☆☆☆☆

アリスの映画鑑賞日記