雨のミラノに到着したのが夕刻。
さすがに冬ですので、前回訪れたときのようにまだまだ明るい、というわけにはいきません
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悪名高きミラノ中央駅ですが、さすがにテロ警戒モードのようで人間改札みたいなのが設けられていて、チケットを持っていない人はプラットホームに立ち入ることは出来なくなっていました。
それにしても下車して、一瞬で濃~い空気を感じるのは私だけ??
イタリア語の語感といい、イタリア人の顔だちといい、あのリアクションといい、奔放というか自由というか…
これでもまだ北イタリアですから…南ってどんななんだろう。
いつか出かけてみよう
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ホテルは明日の移動を考えて、中央駅から程近い場所にあるホテルに。
サービスもよく、快適な滞在になりました。
そしてここにもダックちゃんがバスルームに
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Take me to your home!
と書いてあるので「分かった分かった」と即お引き取り。
明日からのボローニャ、モデナ、パルマへの旅に連れていこうではありませんか!
日曜でレストランは軒並み閉店していたのですが、近くのバールが開いていたのでこちらで赤ワインとビーフのポルチーニ茸添えを。
シンプルなのに美味しい!さすがイタリア♪![]()
冬らしく外は冷えていますが、ストーブをそばにして心も体もほかほかです。
なんだろう、この満足感は。
ホテルに戻り、パッキングを済ませて読書の続きを。
持参したのはコンスエロ・ヴァンダーヴィルト・ヴァルサンの自伝。
まぁ、ゴーストライターが執筆したとも言われていますが、この人の人生というのが実に興味深いのです。
ヴァンダービルト家というのは鉄道経営で莫大な富を築いた一族で、アメリカの「金ぴか時代」の立役者ともいえるかも。この一族のルーツをたどるべく、地図だけを頼りにアメリカ各地を訪れたりしましたもの。
今もってこのリサーチは続けていますが…(日本人には馴染のない人たちのため、図書や資料がないのです…)
このヴァンダービルト家の、女性陣がまたそれぞれにキャラクターが豊か。特にコンスエロとGertrude.Vanderbilt.Whitneyは抜きんでて興味深く、彼女たちの人生を見て行くと、学ぶこと、共感することが多々あります。
通じて感銘を受けたのが
「ただやり過ごすこと」
「前に進めないときは立ち止まること」の大切さ。
そして与えられた環境の中で、自分の置かれた立場、役割をどうにかしてこなしていくこと。
コンスエロは、ヴァンダービルト家が最も華やかなりし第二世代の次男ウィリアムと美貌と野心に満ちた妻アルヴァの長女としてこの世に誕生しました。この母親がまた強烈で、もともとはアメリカ南部の名家に生まれて奴隷にかしづかれて成長するのですが、南北戦争でその全てを失うという、「風と共に去りぬ」を地で行きそうな半生を経て、天性の社交性で、美男でお金持ちのヴァンダービルト家次男夫人の座を手にいれるわけです。優しい夫と可愛らしい子どもたち、有り余る財産に、豪邸、各地の別荘や宝石やドレス、あらゆる富を持ちながら、「もっと欲しい」アルヴァの野心はとどまるところを知らず、やがては夫とも離婚、一層、子どもの今後に焦点を定め、狙う先は「爵位」となり…。
というのも、この時代、富という点では英国を遥かにしのいでいたのですが、アメリカのもともとのルーツである英国から見れば、アメリカというのはただの新興国であって伝統に培われた英国貴族、爵位や称号というものはお金があるだけでは手に入らないもので、「だからこそ欲しいもの」だったわけです。
猛母・猛女アルヴァは娘に自らの夢の獲得の代理を命じます
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それが英国貴族との結婚でした。それもそこそこの貴族で満足するわけのないアルヴァ、お相手の爵位もしっかり自分で御膳立てしていました。どこか病的なものすら感じますが…
お相手は英国王にも連なる英国きっての名門モルバラ公爵家。娘を公爵夫人にしようというわけです。
このとき、コンスエロには温めていた交際があり、お相手はアメリカ建国以来の家系を誇る名門の好青年でした。
そんな異存のない相手でも公爵夫人というタイトルの前には、アルヴァにとっては
「お話にならない」![]()
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となるわけです。
ここから、アルヴァのありえない行動が続きます…と長くなりそうなので、これにコンスエロがいかに処したか…はまた次の話に。


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