ルビィ
重松清著
講談社文庫
2023.5.25読了
☆☆☆☆
あの世とこの世の中間領域で繰り広げられる、自殺した女子高生と売れない小説家の物語…と書くと何のこっちゃら全く想像できないと思うが、まぁそんな異質な設定の小説です。そして人が死に至る心の葛藤を、手を尽くして快方に持っていく、ユーモアあり涙ありの感動的な作品でもあります。この作品を読んで自殺を思い止まる人が1人でもいれば、それが著者の本望なのかもしれません。
丘の上の賢人 旅屋おかえり
原田マハ著
集英社文庫
2023.5.17読了
☆☆☆☆
前回読んだ「旅屋おかえり」の続編。でも、旅屋の物語はタイトルの1話だけで、後半は著者の旅に関するエッセイと、なぜか1作目の最初を描いた漫画が収録されている。なので☆4つとしたが、小説部分は文句なく面白い(ここだけなら☆5つ)。
ちなみに1作目の舞台は、秋田県角館と愛媛県内子。そして本作は北海道なんだけど、ドラマでは信州や関西編もあったような。あれってテレビオリジナルの脚本なのかな。
ここのところ何かと忙しく(この1ヵ月で広島⇄羽田5往復した!)、ブログもすっかり放置状態でしたが、ボチボチ更新再開しようと思います。
【5月13日(土)】
まずはこの時期恒例の、阿津満さんでの食事の記録から。
ボクの誕生日やら母の日やら、適当にまとめて(笑)竹鶴ハイボールで乾杯!。この日は他のお客さんはおらず、ボクたちだけで貸し切り。贅沢な時間の始まりです。
ラッピングされてるのは、からすみ最中。
中に入ってる自家製からすみが抜群に美味しいんだな。
鱧の湯引き。ボイル少なめで、歯応えを残している。
カワハギ肝和え。もうこれは日本酒でしょ。
ということで、十四代のおりがらみ生酒。微弱発泡でフレッシュ&フルーティ。ワイングラスで飲んでみたい感じ。
ブリスケ(コウネ)のユッケ。醤油ベースのタレに胡麻油の香りで、これもメチャ美味い。
ワタリガニとフカヒレのスープ。中華風だが鰹出汁が効いててしっかり和食。山椒油がいいアクセント。
アナゴ炭火焼き。もちろん火入は絶妙。香ばしさがいい。
揚げ物は、子持ち昆布と甘鯛松笠揚げ。甘鯛はもちろんだが、子持ち昆布も意外な美味しさ。このあたりの工夫が楽しい。
これも好きなお酒。
うすにごりで美味い。
おこぜの酒蒸し。ここにはなんとピーナッツオイルが使われている。でも全く違和感なく馴染んでるところがすごい。
肉料理はリブロースの炙り。贅沢に雲丹を乗せて、ソースは鰻のタレ。そこにペコリーノを振りかけるという合わせ技。素晴らしすぎる。
こちらもテンポ良く消費してます(笑)。
愛知県、萬乗醸造の醸し人九平次。こんなのが飲めるとは・・・。
ドリアンのパンだからこそ対峙できる、鮑とその肝の濃厚さ。これもお酒が進んで仕方ない(笑)。
ここから、お鮨のスタートです。
鮪は湯引きしてから漬けに。鮪がしっかり味わえる。
鯛。こちらも湯引き。
キスゴはたて塩で薄く下味をつけて。
最後にもう1杯。
雨後の月、純米吟醸おりがらみ生酒。
雲丹とコウイカ。最強の組合せ。
シマアジ。肉厚で脂ののりが絶妙。
タイラギ。この歯応えがいい。
ハマグリは“煮”ではなく“漬け”。
クルマエビは素揚げで。
締めはいつもの阿津満風オムレツ。そして大将の圧巻パフォーマンスは大団円と相成りました。
美味しい料理を出すお店はいくつもあるけれど、工夫と発想(ともちろん技術)で感動させてくれる、予定調和ではない満足感の得られるお店は数少ないと思う。そんな中でも、阿津満さんは間違いなく筆頭ですね。そう度々来れるところではないけど、また何かの記念日をくっつけて訪問するとしよう(笑)。