読書感想(265)「暗幕のゲルニカ◆原田マハ」 | アルジャーノンにシャンパンを

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というわけでブログはじめました。
ちなみに、はつかねずみのアルジャーノンとは関係ありません。面識もありません(^-^)/。

暗幕のゲルニカ

原田マハ著

新潮文庫

2023.11.13読了

☆☆☆☆☆

ピカソがゲルニカを制作する過程を愛人ドラ・マールの視線で追った過去と、MoMAのキュレーターである主人公が活躍する現在(といっても2000年代中頃だが)の、2つの時代を織り交ぜながら展開するサスペンス小説。もちろん史実に基づいたフィクションなのだが、「どこまでが事実だろ?」ではなく、「もしかしたら、そんなことがあったかもしれないな」と思わせるのが巧いところ。そういう点では、ボクの好きな著者の作品“翼をください”に似てるかも。

正直、芸術の力で戦争は無くせないと思うが、反戦をエネルギーにした作品に名作・傑作が多いのは事実である(ピカソ然り、ジョン・レノン然り)。