読書感想(145)「始祖鳥記◆飯嶋和一」 | アルジャーノンにシャンパンを

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♪信じられない速さで 時は過ぎ去ると 知ってしまったら
どんな小さなことも 覚えていたいと 心が言ったよ♪♪
というわけでブログはじめました。
ちなみに、はつかねずみのアルジャーノンとは関係ありません。面識もありません(^-^)/。

始祖鳥記

飯嶋和一著

小学館文庫

2017.7.4読了

☆☆☆☆


久々に読み応えのある本でした(まぁ、最近は平易な本ばかり読んでたというのもあるが・笑)。江戸時代、幕府や藩の悪政に対し、自ら道を切り開こうとした漢(おとこ)たちの物語。良質な塩を独自の販路で卸すことで、村を救おうとした漢。その塩の原材料を命がけで運ぶ、千石船の船主の漢。そして彼らに深くかかわる、凧に乗って空を飛ぶ表具師。彼らの熱く一途な生きざまには大いに胸を打たれます。

ところで、オットー・リリエンタールが初めて固定翼を付けて滑空したのは1891年のこと。本書が史実に基づくものとすると、幸吉が凧に乗って飛んだのは1785年。リリエンタールの100年も前のことで、もしかしたら人類で初めて空を飛んだのは日本人かもしれないのに、幸吉は世間を騒がせた罪で捕えられ、公式な記録は残っていない・・・。いやはやなんとも(泣)。