かなり前に、何かの雑誌に著者がこの本の内容をコラムに書いていて、それを読んだときにとても感心してコピーをとっておいたほどです。
ゾウの時間ネズミの時間
本川達雄著
中公新書
2013.8.17読了
☆☆☆☆
時間の流れはどこでも一定だという概念は、人間が勝手に自分中心で考えたものなんですね。生き物は、そのサイズによってそれぞれ時間の流れる速さが違う。そのことを、生物の進化、エネルギー消費、生息密度、移動距離などあらゆる切り口で証明してみせる。しかも細胞サイズから大型哺乳類、植物までもを対象にして。これには目から鱗的な感動があります。これでもかというくらいの論証は説得力十分。本文には数式やグラフなどが頻繁出てくるので、文系の人にはちょっと取っつきにくいかもしれないけど、それでも読むと感心させられると思いますよ。
ちなみにこの本の帯には「ゾウもネズミもネコも、心臓は20億回打って止まる」と書いてある。毎週ヒルクライムして無闇に心拍を上げているボクは、もしかして寿命を縮めているということなのか?(笑)。