読書感想(51)「水神◆帚木蓬生」 | アルジャーノンにシャンパンを

アルジャーノンにシャンパンを

♪信じられない速さで 時は過ぎ去ると 知ってしまったら
どんな小さなことも 覚えていたいと 心が言ったよ♪♪
というわけでブログはじめました。
ちなみに、はつかねずみのアルジャーノンとは関係ありません。面識もありません(^-^)/。

水神

帚木蓬生著

新潮文庫

2013.1.20読了

☆☆☆☆


アルジャーノンにシャンパンを

その地形により水不足に悩む村を救うため、筑後川に巨大な堰を築くという偉業を成し遂げた5人の庄屋の物語です。地元では教科書にも載っているという実話が基になっていて、5庄屋も実名で登場します。

日本の史実をベースにした著者の作品には“国銅”があるけど、本作のほうが悲壮感が少なく希望に満ちたエンディングで、読んだあとほのぼのとした気持ちになれます。

しかし著者の最近の作品は穏やかなものが多いですね。登場人物もほとんどが善人良人で、まじめに努力している人は必ず報われる、といった感じで。日常に忙殺され、忘れてしまいそうなものを思い出させてくれるいい作品たちです。

著者もそろそろ晩年の域に入ってきて、なにか悟るところがあったのかな?。




広島ブログ