読書感想(48)「サウダージ◆垣根涼介」 | アルジャーノンにシャンパンを

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というわけでブログはじめました。
ちなみに、はつかねずみのアルジャーノンとは関係ありません。面識もありません(^-^)/。

サウダージ(ヒートアイランドⅢ)

垣根涼介著

文春文庫

2012.11.3読了

☆☆☆☆


アルジャーノンにシャンパンを


ギャングスターのレッスンを受けたとはいえ、まだまだ半人前のアキ。今回の「仕事」はヤクザからの大金強奪。極端に慎重にコトを進めるアキたちのグループにしては、異端とも思える一匹狼との共同作戦。いつもながらの緊迫したストーリーが展開するが、タイトル「サウダージ=望郷」が示す通り、著者の主眼は別のところにある。登場人物たちはそれぞれの過去を持ち、現在を生き、そして叶わない未来を見る。一見冷酷な犯罪ドラマのようで、実は彼ら彼女らのストレートで熱い人間的な物語である。

悲しいラストではあるが、心地よい余韻が残るところは、著者のフィニッシュの上手いところ。



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