安全な美白方法に関する前回の記事では、既に出来上がっている黒ずみやシミを、美白することについて書きました。今回はお肌の白さを保つ方法について、書きたいと思います。
読者様もご存知のように、皮膚は「表皮」と「真皮」に分類されます。そのうちの表皮は、「角質層」「顆粒層」「有棘層(ゆうきょくそう)」「基底層」と、複数の層にわかれています。薬機法上化粧品は、角質層までの作用しか効果効能を宣伝することができません。医薬部外品、いわゆる薬用化粧品の場合は、はさらにその下の層までの効果効能を宣伝することができます。
基底層内には「メラノサイト」とよばれる、メラニンを生成する色素細胞があります。表皮に紫外線が照射されると、メラニン生成命令がメラノサイトへ信号として送られます。その結果メラニンが生成されて、日焼けとなるわけです。店頭で見かける美白薬用化粧品のほとんどは、基底層内にある「メラノサイト」に働きかけて、メラニンの生成を抑えるように設計されています。
しかしここで考えなければならないのは、メラニンは必要だから合成されるわけです。ヒトは他の哺乳類と比較して、体毛が非常に少ないです。ヒトが進化の過程で獲得してきたこのメラニン生成システムを無理矢理抑え込むことで、細胞核が紫外線でダメージを受けるて、遺伝子が狂ってしまう危険性もあります。このあたりがとても、心配される点でしょう。
なおこのタイプの薬用美白化粧水には、グリチルリチン酸ジカリウム(グリチルリチン酸2K/GKⅡ)がよく配合されます。同成分には血行を阻害して肌を病的に白く見せる効果があり、消費者に美白効果が高いと誤認させがちです。しかしこの化粧品成分には副作用として、血行不全による汚肌効果や糖化作用により老化促進作用があります。できればグリチルリチン酸ジカリウム不使用の、薬用化粧水が望ましいでしょう。
次回の記事では、紫外線吸収剤や紫外線散乱材配合のUVクリームによる美白維持に関しての、安全性について書きたいと思います。
《公式サイト内の人気記事集 肌トラブル編》
● グリチルリチン酸2Kはくすみの原因
● グリチルリチン酸2Kでデコボコ肌に
● エチルヘキサン酸セチルで額剥がれる
● 低分子ヒアルロン酸で顔カビの危険性
● 「アレルギーテスト済」の過信は禁物
● 石膏パック 不慣れな施術で低温火傷
【サブ公式サイト・ブログ等】
■ サブ公式サイト
■ メインブログ cocolog
■ FACEBOOK
■ TWITTER