バーテンダーの覚書 -3ページ目

エクソシスト ~深い碧の祈祷師~

先日、マルウェアというモノを大量に退治した。

何かをDLしたときに恐らく平行ダウンロード&インストールされたであろうものだが、ウィルスではないにしろ、結構タチが悪い。
PCは重くなるし、削除したはずのアプリケーションを勝手に復活させたりと、余計なことばかりしでかす、まるでキングボンビーみたいな連中だ。

一つ一つアンインストールを繰り返すが、面倒くさいので、システムの復元を実行してやろうと目論むも、どうやっても出来ない。違う日付を選んでも出来ない。
多分、空き容量が足りないのか、そもそも不安定な状態になっているので無理か、どちらかだろうが。

結局、そのキングボンビー達を、一つ一つ退治していくことに。気分はエクソシスト。


エクソシスト レシピ


・テキーラ  30ml
・ブルーキュラソー 15ml
・レモンJ  15ml


技法:シェーク
グラス:カクテルグラス


全ての材料をシェイカーに入れ、シェークしてグラスに注ぐ


深い青が印象的なショートカクテル。
いわゆる黄金比(スピリッツ2:キュラソー1:レモンorライム1)のカクテル。つまるところ、色違いのマルガリータということになる。

しかしこのカクテルは意外とマイナーで、名前から興味を持って頼まれる方が時々いらっしゃるのだが、どんなものかはご存じないことがほとんど。
このような少しマイナーなカクテルを注文された際には、自分はいつも必ずお客様にどういったものであるかを説明、確認してからオーダーを受けるようにしている。
いざお出ししたときに「え?こんなのだと思ってなかったんだけど…」と思われてしまったら、納得も満足もしていただけない。本末転倒も甚だしい。

もちろん、わかってご注文される方もいるので、場合によっては失礼に当たる恐れもあるが、そこは勘と経験で見極めるしかない。
まだ経験の浅い自分程度では、得てして読み違いがあるが、アプローチせずにいるよりはマシだと自分は思うので。


このエクソシスト。
味わいは色違いのマルガリータなので、テキーラの味わいがよく出ており、それでいて飲みやすく仕上がっているのだが、お客様で稀にペルノーを1tsp追加して欲しいと言われることがある。
ペルノーとは、アニスの風味が強烈に効いた香草系リキュールのことで、ほんの一滴加えるだけでも、大幅にその風味、味わいを変化させてしまうほどのハードパンチャー。
このペルノーを1tsp加えたエクソシストは、名前の雰囲気に負けない、むしろ越える程の印象を持つカクテルに変化する。むしろこっちが本当のエクソシストなんじゃないか、と思えるほどに。
ただし、香草系リキュールは好き不好きが激しいので、苦手な方は絶対にやめておいたほうが良い。



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アレキサンダー ~大人の女性に捧ぐ~

更新にだいぶ手間取り、やっとの更新です。

最近しっかり朝まで仕事することが多く、そして飲酒量も連日多かったため、もうブログどころの騒ぎじゃなくなっていたので。

風呂も入らずフローリングで気絶、なんて毎日だもの。でも酒がうまいのよ。


さて、カクテルの話なのだが、かなり多くの方がご存知のカクテルだと思われる。
ブランデーベースのカクテルがいまだエントリになかったのと、クリーム系カクテルの基本を何時までも無視するわけにもいかんだろうし。


アレキサンダー レシピ

・ブランデー  20ml
・クレームドカカオ 20ml
・生クリーム 20ml
・ナツメグ 少々


技法:シェーク
グラス:カクテル

材料をシェイカーに入れハードシェイク。カクテルグラスに注いでナツメグを振りかける


チョコレートケーキのような味わいで非常に飲みやすく、女性にオススメなのだが、実はアルコール度数が高い。
その甘く芳醇な香りと柔らかい飲み口に騙されて、ついつい飲み進めてしまうと、気がついたら深みにハマる、いわゆる「レディキラー」なカクテル。
大人の女性はそれを理解した上で飲めば、良くも悪くも、このカクテルを利用出来るのではないか、と思う。


と、ここまで書いておいてなんだが、本来のアレキサンダーはジンベースである。
日本での認知は圧倒的にコチラのブランデーベースなのだが、欧米ではジンベースがアレキサンダー、ブランデーベースはブランデーアレキサンダーと呼ばれる。
ついでに言うと、ナツメグは実は日本に上陸してから入るようになったもので、故にレシピによっては加えない事もある。

個人的にはない方が美味いと思う。
なんかハンバーグ喰ってるみたいなんだもの。

クリーム系カクテルは、このカクテルの派生みたいな感覚のものが多いので、まずはアレキサンダーを覚えてしまえば、あとは手を変え品を変えで覚えられる。
ブランデーをミントに変えればグラスホッパーだし、ガリアーノに変えればゴールデンキャデラック。ウォッカにすればバーバラ。

その変えた先でまた派生があるので、オリジナルカクテル考案の際にも、参考にしやすいカクテルであると言える。

クリーム系を美味しく作るには、ハードシェイクをマスターする必要があるが、それはまた別のお話ということで。




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アラウンドザワールド ~キリリと響くジンとミント~

アラウンドザワールド

と聞くと、ロック好きな自分としては、真っ先にレッチリのフリーが弾くベースの音を思い浮かべてしまうが。

次いで、ジンベースの緑色のカクテルを思い出す。
職業バーテンダーだが、趣味が優っているんだなぁ、としみじみ思う。

このアラウンドザワールド

実はかなり思い出深いカクテルだったりする。

まだバーテンダーをやってもいない、ただの酒好きだった頃、友人の住む吉祥寺に遊びに行ったときに訪れたバーで、初めて出会った、そして、初めてまともに飲んだショートカクテル。

アラウンドザワールド レシピ

・ジン  40ml
・GET27(ペパーミントリキュール) 10ml
・パイナップルジュース  10ml

技法:シェーク
グラス:カクテルグラス


レシピを載せてみたが、実は全くあてにならないレシピ。
ググればすぐにわかるのだが、まーとにかくどれが標準量なのかさっぱりわからない。
そもそも、カクテルというものは、黄金比のモノを除いて、あくまで参考レシピでしかないのだが、このカクテルは本当に全然違う。

作る人によって、解釈によって、正解がないに等しい。

かくいう自分も、上記のレシピとは全く異なるレシピで作るし、知り合いのバーテンダーさんは、レモンも絞っていれていたし。

言えることは、ジン、ペパーミント、パイナップルジュースの三つを使って仕上げればよい、ということだけかと。

ジンを押し出して、ミントの爽快感、パイナップルの甘みと酸味をプラスしてあげる、というのもアリだし、全ての材料の比率をほぼ同じにして、三味一体を目指す、というのもアリ。

ちなみに自分レシピは

・ジン 25ml
・ペパーミント 15ml
パイナップルジュース 20ml

あとは微調整。
ジンメインではなく、全体の調和を目指して作っている。

冒頭に書いた吉祥寺のバーのアラウンドザワールドがそうであったように、ジンの刺を弱めて飲みやすく仕上げている。

しかしながら、このアラウンドザワールド。
とてもマイナーなカクテルなので、年に一度作るかどうか、というレベル(自分の店にお客さんが少ないのも要因の一つだが)

意外と、その店のバーテンダーさんの趣味が反映されると思っているんだがなぁ。

甘めか甘さ控えめか、とか、メインをはっきりさせたいのかバランスか、とか、三つの材料の使い方で、クセが出ると思うんだが。



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