林栄一⑥
アンコールでは吉田さんがエリントン楽団の名手ハリー・カーネィばりに「ソフィスティケイテッド・レディ」を演奏。吉田さんのこの夜の白眉でした!うん、凄かった。しかし、その後の林さんの演奏がイケない。名曲「テンダリー」をアルト独奏で。これがもう比類なき美しいプレイ。ジャズヘの愛情溢れた一撃で、俺はヤラれてしまった。何度も言うが、林さんが吹くと場が一転する。空間に漂いはじめる霞のような神聖なものは何だろう。林さんは天使なのだ。アルトを吹く林栄一は天使のように、人々に幸福を与える。みんなうっとりして聞いているのだ。
林栄一⑤
また三重奏に戻って、南米音楽。で、吉田さんの自曲。で、アルトの若者が飛び入りして一曲。この若者、音が大きくとても上手。俺にはとてもとても君のような度胸も技術もありません。がんばってください。小森さんや吉田さんみたいな若く才能あるミュージシャンたちに頼もしさを感じつつも、林さんとのあまりの差に少し寂しくなったのも正直なところ。林さんと比較するのも酷な話だけど、この差を縮めなければ先は瞑い。林さんは最初から「何か」がある人だったそうだ。精神論とかクダラナイけど俺は林さんの演奏には毎回特別なものを感じる。
林栄一④
セカンドは各人のソロ。吉田さんは自曲。小森さんはインプロ。林さんはモンクの「海老田棲」だった。若い二人も素晴らしい技術と熱い魂で感激した。でも林さんが吹くと、場が変わる。異世界に俺はいる。モンクがバッキングしているような錯覚。リズムを変えコードを変え、林さんとモンクが二人でダンスをしている。楽しそうでこちらも目を細めてしまう。林さんのサックスには何かが宿っている。これが重要。まあオーラとか精霊とか神がかりというか神秘的な感じ。これは努力して身に付けるもんじゃない。やはり林さんが別次元の人であると再認識。