おすすめ度4
難易度2
社会契約論というと学校でホッブズ、ロック、ルソーの名前をセットで覚えた人は多いはず。
*ホッブズ
![](https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/d/d8/Thomas_Hobbes_%28portrait%29.jpg/200px-Thomas_Hobbes_%28portrait%29.jpg)
*ロック
*ルソー
近代国家の価値観を形成するのに超重要な役割を果たしている人たちなので、全員何かしら読んでいるんですが、一番興味が湧かないのが正直ロックなんですよね😅
ホッブズのような体系性もなければ、ルソーのような文学的魅力で思想を多いに飛躍させることもない。ロックはどこか常識人の議論に思えてしまっていたんですよね。
まあ、そう思えるだけロックの思想が現代に浸透しているとも言えるのですが😅
なんで、それゆえ別にあまり深追いしなくてもいいかなと。
ですが、本書を読んでロックの思想の背後にはキリスト教の影響が強いのだということが分かりました!
さて、ではどのようにロックは自身の思想を展開したのでしょう。
ロックは神への義務、善行をいかに果たすかというピューリタニズムの影響がものすごく強い人。
では、神への義務を果たすにはどのような政治論、宗教論、認識論が必要なと思索を続けた成果が『統治二論』、『寛容への手紙』、『人間知性論』といった著作になっていく。
ロックは神への義務を果たすには自律した個人である必要があり、そのためにはプロパティが必要と考えました。
ここから、いかにプロパティを守る政治体制を考えていき、プロパティをむやみに侵害しない統治には合意が必要であり、合意の結果選ばれた統治者が契約者の意図を無視する場合には抵抗する権利があるという学校で習うようなロックの議論へと至るんですね。
ロックを近代政治思想のルーツとするイメージとはまるで違うものですね。
あくまで政治的統治はプロパティを非政治的な聖域とする上で必要で、そうして守られたプロパティで神への義務を各人が果たすことをロックは期待したわけですね。
ロックが思想を展開した内的動機に迫り、ロックの思想を一貫したものとして読みとく姿勢がいい本ですね。
ちなみに、ロックの宗教性がいままであまり読み取られてこなかったのはロックの政治思想は法学、政治学界隈の人が扱い、認識論は哲学界隈が扱い、宗教論は宗教学界隈が担うという学問の分断による影響は大きいのかなと思っています。
自分事ですが、僕の出身の政経学部はキリスト教、古代ギリシア思想は正規のカリキュラムであまり扱ってないですね。それゆえ、どうしても近代的な見方、読み方が強い風潮にありますよね。
思想界隈はそれでもまだましなほうで、実証研究の人たちはそれこそ近代的な見方をバリバリにする人っていましたね。僕はどうも苦手な人でしたが。
というか、今の政治の問題って近代の理念だけ唱えていればどうにかなる段階をとっくに越えていると思うから、政治学、法学の教え方に工夫がいる必要が気がしてならないんですが、どうなのでしょう?
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