犯罪を事前に防止する社会『マイノリティリポート』から監視社会の怖さを考える! | チャンクロブックスー教養人への冒険

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今回紹介するのはスピルバーク監督トム・クルーズ主演の『マイノリティリポート』。ニコニコ

 

犯罪を予知するプレコグというシステムが導入され、プレコグの予知に基づいて犯罪予防局が事前に犯罪を防ぐようになった近未来が舞台。

 

トム・クルーズ演じるジョン・アンダートンは犯罪予防局の刑事です。

 

ですが、ある日ジョン・アンダートンは面識もない人を殺すと予知され、必死に逃げまくります。

 

そして、どうやら未来予知をしている3人のプレコグは同じことを言っているわけではなく、予知内容が他と異なるものはマイノリティリポートとして破棄されていることをアンダートンは知ります。

 

アンダートンは自分の無実を証明すべく、マイノリティリポートを求め、プレコグの一人アガサをさらい、真実を求めていきます。

 

実はプレコグにはとんでもない秘密があることが明らかになっていくのですが、そこは映画を観てのお楽しみ!グラサン

自由とは何か、運命とは何か、かなり本質的な問いを突き付けてくれます!

 

*マイノリティリポートの原作はフィリップ・K・ディックの『トータル・リコール』に収録されています。

原作は全体主義擁護のきらいがあるので、映画はラストを変えてきてますね。

『トータルリコール』に関してはこちらの記事を

https://ameblo.jp/akushiroreshi/entry-12549568910.html

 

にしても、犯罪を犯す前に捕まえられるとは何とも恐ろしい社会です。(^_^;)

 

自分の行動がある意味どこまでも見られています。

 

また、映画の中では目の虹彩をチェックする生体認証の技術も相当なものになった世界です。

 

プレコグによって、犯罪のない世界は「平和」かもしれませんが、個人の「自由」がどこにあるのか疑問に思います。( ̄^ ̄)

 

*監視社会における自由の問題はこちらを参照!

https://www.instagram.com/p/B5-WGyRFP1c/?igshid=1reuvb7mco9aq

 

 

 

*髪の毛や血液といった生体情報から遺伝子情報を読み取り、人を監視する社会のおぞましさは『ガタカ』で体験できます。

NASAが2011年に現実的なSF映画第一位に選んだ作品でもあります。

ちなみにタイトルのガタカ(Gattaca)はDNAの基本塩基の頭文字ですね。g(グアニン)a(アデニン)t(チミン)c(シトシン)

 

 

 

*この辺の監視社会の問題はアニメ『サイコパス』のシュビラシステムの恐怖につながってくると思います。

PSYCHO-PASS サイコパス

 

 

 

*監視社会の基礎的な文献としてはデイヴィッド・ライアンの著作が挙げられるとかと思います。

監視社会 監視社会
 
Amazon

 

 

*監視社会を考える上ではパノプティコンの問題は避けて通れないかと思います。

ベンサムが囚人監視の効率的な建物として考えたパノプティコンに近代の規律・訓練の問題を読み取ったのはフーコーですね。そのことはフーコー『監獄の誕生』に詳しいです。

パノプティコン

 

ジェレミ・ベンサム

 

 

ミシェル・フーコー スキンヘッドがカッコいいです。

 

*監視社会の恐怖を考える上で他にも重要なのはジョージ・オーウェルが『一九八四年』で描いたビッグブラザーですね。巨大国家権力にすべてを見られているという恐怖は決して共産主義国家だけのものではないと思います。

 

ジョージ・オーウェル

George Orwell press photo.jpg

 

*犯罪者を無理やり矯正する社会の恐ろしさはスタンリー・キューブリック『時計仕掛けのオレンジ』に通ずるテーマです。とりあえず「平和」なら全体主義的システムでもいいのかは問題です。

 

 

『時計仕掛けのオレンジ』の原作はアンソニー・バージェス。映画のほうのバージェスは実は・・・。

 

 

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