三谷幸喜演出 制服コメディエンヌ | ジャズと密教 傑作選

ジャズと密教 傑作選

空海とサイババとチャーリー・パーカーの出てくるお話です

大空港2013 

 

・竹内結子という俳優を初めて見た。印象としては松たか子と共通するところ。松嶋菜々子はどうだろうか。

 

・松と竹というわけじゃあないが。

 

・もっとも、近年の映画や俳優について当方知らな過ぎ(昔の人だって夏木陽介江利チエミくらいにしか興味がないけど)。

 

・女性の制服姿と人物像とのギャップを表す演出は類型なのか。制服の内側の本音を見せる直截的コメディ演技とか。

 

・コメディ演技といえば、研究室から実験に失敗した爆音と煙の後に出てくる髪の毛ぼさぼさ白衣ぼろぼろで靴の脱げた加藤茶あるいはタモリを連想させる香川照之、戸田恵梨香の場面があるが、「映画の演出にコントの影響を見ることができる事例」と見てよいか。

 

・人物の演技演出に漫画の影響を受けているのが明らかな動作を他の作品で見たことがある。

 

・竹内が生瀬勝久に香川・戸田の逢引き場面を撮りに行くよう仕向ける場面はぎりぎりの線。これ以上やると設定した人物像の維持に破綻が起こるように思う。市原悦子ドラマじゃないので。

 

・長年、家庭の主婦としての生活が人生のすべてだった神野三鈴の「一度くらいそういうことがあっても」という心情を理解はできるが肯定するわけにはこれまた絶対にいかない、というのが男どもの譲れない立場であろう。

 

・とはいうものの別の本音を言えば、より多くの専業主婦の皆さんにその気になってもらいたいとも思う。その相手役に筆者の選ばれる機会が「一度くらいあっても」と考える故である。

 

・飛び立つヘリを竹内が見送る終わりの場面。ヘリはしばらく後に墜落するのがよい。遠く見る竹内が「あ」とか言って終わる。

 

・だめならせめて小爆発などの後、飛び立つことができないという設定で妥協。降りてきた息子・池松壮亮の暴れる(彼は所要のため急いで帰らねばならなかった)のを母娘・神野、石橋杏奈辺りがなだめ止めようとする。

 

・最後の最後に来てこの失望感。離れた屋上からその光景を見る竹内は台本の「・・・・・」をどんな表情を以って観客に示すか。