You say go,Ⅰ say stop | ジャズと密教 傑作選

ジャズと密教 傑作選

空海とサイババとチャーリー・パーカーの出てくるお話です

セスナ機からスーパーなどの宣伝ビラが地上に向けて撒かれる。50年代から60年代にかけて街にそんな光景があったのだった(わたしの記憶にはない。生まれてなかったなどとは言わないが、まあ、たぶん埼玉には来なかったのだろう・涙)。

 

本日付朝日新聞の記事だが、子供たちが宙に舞うそれを追いかけ、競って拾い集めたという情景が記述されるや、例のポケモンなんとかの騒ぎを連想するわけである。

この空からのビラまきは60年代も後半には急速に件数が減退したが、子供がビラを追いかけて交通事故に遭い、それが大きく報道されたのが要因のひとつとのことだ。

一方のポケモンGOはといえば、そんなことくらいじゃ勢いはとても止みそうにありませんな。

このポケモンGOとやら、やって見ればバーチャルとリアルの混ざった不思議な感覚があるのだろうか、きっと面白かろうが、とはいうものの現代の街なかはそんなポケモン探しなどというのんびりした無防備さを受容してくれるような状況環境にない。

危ないのは車だけじゃない。そしてまた、被害を受ける側とは限らない。いろいろなことで加害者にもなってしまう。今どきの世の中は複雑なのである。

これがしかし、昔の田舎風景の中でのことだったらどうだろうか。原っぱやどぶ川や沼や林の中が遊び場だったころ。でもその時代はデータとか配信とかそういうのはなにもなかったので、やはり神様が登場する。

「なあ君たち。君たちの遊び場のいろんな場所にキャラクター・グッズをたくさん隠しておくから、みんなで探したらどうか」

子供たちは大喜びで探し始める。競って集め、さらに見つけるために行動範囲を広げる。今までの活動半径を越え、遠くまで足を延ばす。時間も忘れ、夢中で探し回る。

子供たちは楽しくて仕方ないが、親は黙っていられない。家になかなか帰って来ず、勉強も手につかなくなった我が子の先行きを憂うのであった。

「神様、余計なことをしてくれよって」

まあ、実際に神様があちこちに隠したキャラクターとは本物のバッタやカマキリやざりがにやかえるやかぶと虫たちであったに過ぎないのだが。






このサザエさんは1953年7月12日新聞掲載作
パラシュートまで降っている上の写真も1953年撮影
わたしは生まれてません(きっぱり)!