演劇「赤い月」を観てきました |   kitchen aki 美味しい毎日

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2006.6.15雨晴れ

 夕べから降ってた雨も朝にはあがり、梅雨の合間の晴れ間です。

沖縄では激しい雨が続いていて、マンション倒壊の危険なんてニュースで見ました。

大変ですね。自分のマンションにも近づけないとのこと心配ですね


ここ福岡は雨はもちろん降るのですが、いまのところは豪雨の心配もありませんが、これからですよね

梅雨の後期になるといつも豪雨に悩まされます。


さてきょうは会員として長く親しんでいる市民劇場の例会がありました。

今回は「文学座」公演で赤い月」を観ました


この作品は何年か前に映画化されたこともあり、ご存知の方も多いでしょう

なかにし礼さんの引き上げ体験をもとに書かれた小説です


私の年代ではなかにし礼さんというと、小説家というより作詞家の印象が強く、

60年代の歌謡曲のヒットメーカーでした。

「知りたくないの」 「今日でお別れ」 「時には娼婦のように」 「北酒場」などなど


その後作家として「長崎ぶらぶら節」で直木賞受賞しました。

才能ある方なんですね


私はこの小説を読んで映画を観ましたが、映画は華やかな場面が印象的で

もう一つ悲惨さは伝わってきませんでした。


回は生の舞台ということで、あの激しい場面はどんな風に演出しどんな風に

演じるのだろうと、大変興味がありました


映画のように派手な背景もできない。あの広大な中国の広がりも映像では

美しく描けるが舞台ではそれもできない。


実際今回の舞台の大道具は灰色の大きな壁があるだけ

それが光だとか小道具だけで船の中になったり、酒屋の店、ホテルの一室、汽車の中


と早変わりする。

全く違和感がなかった


かえって緊迫感が伝わり、一緒に汽車に乗っているような錯覚をするほど。

これが舞台の楽しさなんです。


主役の平淑恵さんの素晴らしさがこの舞台をギュと引き締め、我々を引き付けて

くれたのだと思いました。


文学座といえば、杉村春子さん、奈良岡朋子さんといった日本の代表女優さんがおられますが

その後を充分引き継ぐ女優さんですね。

華やかさ、強さ、しなやかさを併せ持った真の舞台女優さんです


この平さん演じる主人公”波子”

子どもを絶対に死なせない、日本に連れて帰る為ならなんでもするという強さ、愛を

を体全体で表してくれました。


この舞台だからこそ私たちもそのまま受け止めることができたと感じました。

戦争の悲惨さ、非情さをかえってこの暗い美術だからこそ胸に響きました


ズ~ンと心に残った作品でした。


     「手を拡げアンコールのごと星降るる」