少し前、東京上野の東京国立博物館の浮世絵の部屋で見た作品
(現在は展示していないと思います)
今日の1枚のアート(←勝手に名付けた)
江戸から明治にかけて
役者の似顔絵の第一人者、豊原国周(とよはらくいちか)の作品
●《め組の喧嘩》 明治時代 19世紀
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肉筆の迫力満点の作品
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▪️「め組の喧嘩」とは
明治23年初演の歌舞伎の演目「神明恵和合取組(かみのめぐみわごうのとりくみ)」のこと
江戸の芝の鳶の火消し「め組」の辰五郎と、力士の四つ車大八の喧嘩が最後のクライマックス
となって演じられています
2012年に東京浅草で行われた中村勘三郎の、平成中村座でも行われました
現代でも名作と言われている歌舞伎の作品
▼部分
▪️豊原国周(1835−1900)とは
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幕末から明治時代にかけて、役者の似顔絵の第一人者として活躍した浮世絵師
引っ越し好きで妻もよく変えるという変わり者で有名な絵師でした
引っ越しの数だけなら北斎にも負けないと語っていたという話も伝わっています
また宵越しのお金は持たないという江戸っ子気質の人
だから貧乏だったらしいですが、それでいて困っている人を見ると、なんでもあげてしまうという
これもまた江戸っ子気質の人だったらしいです
▼部分
上に描かれているのが鳶の辰五郎
下側が力士の四つ車大八
それぞれ得物を持って緊迫の場面
本当に火事と喧嘩は江戸の華を地で行く話ですね
二人が絡み合っているのが縦長の画面で上下に描かれていることで
迫力が増しています
これが横長の画面だと、もっと現実的になっていて
この絵の効果とはちょっと違ったものになっていたでしょうね
やっぱりこの作者
人気が出るのはわかりますね
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