日高理恵子 《樹を見上げて Ⅶ》1993 東京国立近代美術館館蔵 @東京・竹橋 | akki-artのブログ

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今日の1枚のアート(←勝手に名付けた)

 

 

 

 

 

 

日高理恵子(1958ー)さんの

 

 

《樹を見上げて Ⅶ》

 

 

東京国立近代美術館の常設展に展示してありました

 

 

 

 

 

大きな横長の画面に、葉のすべて落ちた樹木が広がっています

 

 

 

タイトル《樹を見上げて Ⅶ》からわかるのは

 

 

 

樹木を見ている自分の不安定な気持ちを

 

 

 

大きく絡み合った樹木の姿と、何も描いていない空に託したような気がしました

 

 

 

雲も鳥も、光の明るさも何もない空

 

 

 

不思議な世界に迷い込んだような気がします

 

 

でもそれだけでなく、画面からは清潔感と、上質な気高さもどこか感じました

 

 

 

■日高理恵子さん

 

1958年 東京都生まれ

武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻修了

 

ドイツへ文化庁の在外研究員として留学経験のある作家さん

 

 

 

▼部分

 

 

 


その清潔感は、多分細部まできちんと描きこんであるその画面からくるものかと

 

 

 

キャプションによると、ご自宅の近くの神社で何度もドローイングを重ね

 

 

4度の冬を越えてこの作品を作り上げたそうです

 

 

 

 

■見る角度を変えて

 

 

色々な角度から作品を見てみると

 

 

どの角度でも画面として成立しているような気がしました

 

 

 

▼向かって左 壁際から

 

 

 

 

 

 

 

 

▼左45度

 

 

 

 

 

▼正面

 

 

 

 

 

 

▼右45度

 

 

 

 

 

 

 

▼右の壁際から

 

 

 

 

なんとなくどこから見ても、それぞれちがう画面でありながら

 

 

同じ不安定な気持ちが伝わる気がします

 

 

それは作者の腕の確かさなのかもしれませんね

 

 

 

この大きな画面の、清潔感からくる印象はとてもインパクトがあって

 

 

 

 

ずっと心の底に残っている作品です

 

 

 

 

 

最後までお付き合いいただきありがとうございました