メアリー・カサット 《娘に読み聞かせるオーガスタ》1910年
今日の一枚のアート(←勝手に名付けた)
アーティゾン美術館の、看板娘の1人だと勝手に思っている作品です。
常設展でよく飾れれている作品です。
■作品紹介
メアリー・カサット 《娘に読み聞かせるオーガスタ》
とても穏やかな、母と子供の優しい絵ですね。
屋外の暖かな光の中に、絵の中心に黒い本があり、そこだけがとても強いアクセントになって、まず目につきます
そして、お母さんの顔、手に持っている本、そして遠くを見ている娘。
この3つのモチーフが、とてもその黒い本を真ん中にして上と下に置かれています。
お母さんにも、娘にも、両方に目が向くようになっている構成です。
さらにお母さんの頭を頂点として、娘さんの横たわる姿を含めた、三角形の安定した構図。
穏やかな色調も相待って、優しい絵になっていますね。
■メアリー・カサット(1845ー1926)とは
アメリカのフィラデルフィア生まれのアメリカ人女性画家です。
幼い頃、フランスやドイツで過ごしたそうです。
アメリカで美術の教育を受けた後、パリに出て、印象派展に出品。
アメリカに印象派を広めることに大きな貢献をした画家らしいです。
▼部分
カサットの何気ない日常の娘と母親の姿を描くカサットの得意モチーフ。
アーティゾン美術館のホームページでは、
”
この作品は、カサットが晩年を過ごしたパリ近郊、ル・メニル=テリビュにあるボーフレーヌ館の緑豊かな庭園で描かれた母子像です。この頃すでに名声を確立していたカサットは、身近な家族や友人のみを描く必要がなくなり、女性や子どもをモデルとして雇うようになっていました。”
との解説がありました。
よく見ると、読み聞かせるといいながらも、お母さんはこの本に夢中になっていて口を開けてない様子、そして娘は物語のことなど気にもならないようで、遠くを見ていますね。
身近な人がモデルだと、もう少し感情を入れるのでしょうけれども、、、
それでも、読み聞かせるというより、何気ない日々の暮らしの中で、お互いが別のことをしていても、とても幸福感に包まれている様子がとても優しく描かれています。
この感じがとても好きなのですね。