恋愛至上主義区域

テーマ:



原題:연애지상주의구역(韓国)2024年

監督:キム・ギョンア


あらすじ

先輩の書いた、ごく平凡な恋愛小説。

バーで酔いつぶれた主人公のテ・ミョ

ンハは、小説を基に制作されたゲーム

に高校生として迷い込んでしまう。

小説では不幸だった、キャラクター

〈チャ・ヨウン〉を幸せにすること

が、ゲームクリアの条件。与えられた

期間は300日。

29歳のミョンハは高校生になった自

分に戸惑いながら、与えられたミッシ

ョンをクリアしながら世界を完成させ

ていくが、日にちが進む毎にエラーが

増えていき、不安定になったゲーム

の中で、ミョンハの過去が明らかに

なっていく。



評価

★★★☆☆


感想

久しぶりにBLもいいかな。

1話30分程度の8話なので見やすい

です。

最近、心に刺さるというか、私のツボ

にハマる恋愛ドラマ(映画)に出会えて

いないので前に見た作品の再視聴。

こちら、ゲームの中に入るという、あ

りふれた設定のファンタジーではある

ものの、見ていて考察も面白く、ちょ

っと考えさせられる内容でかなり好き

な作品。

ミョンハがヨウンを「幸せにする」と

いう不確かな目標の為に奔走しながら

自らの存在について考えていくのが面

白かったな。

結局〈先輩〉って何物?

という疑問が残るのですが、、、

多分、神様かな。

ミョンハは祖母から言われた「人生は

本のようなもので、書かれた通りに生

き、正しければ幸せに、悪いことをす

れば来世で苦労する。」という言葉が

嫌いで「(人生や運命を)自分の手で変

えられなければ頑張る意味がない。」と

思っています。

対して、ミョンハが読んだ本は先輩の

書いた誰かの人生。

原作者のペンは、先輩(神様?)からの

贈り物であり、挑戦状のようなモノだ

ったと思います。

それなら、自分の手で運命を変えてみ

ろ、的な。

ヨウンも使えたのには驚きでしたが。

もっと、深読みすると原作者のペンも

含めて、このハッピーエンドは予定さ

れていたのかもしれません。

冒頭、ミョンハは飲みながら

「これでおしまい?」と

先輩に尋ねています。先輩は

「うん、ハッピーエンド」と

答えています。なので、ミョンハが読

んだ話は未完で、その続きがミョンハ

とヨウンのハッピーエンドだった。

そういう意味だと、全ては先輩が書い

たシナリオだったのかもしれません。

そうなると、ヨウンが原作者のペンを

使えたのも、先輩のシナリオで既に予

定されていた運命かもしれないと思う

のです。

まぁー

結構、その辺りボンヤリ濁したドラマ

なので考えてたらキリが無いのですが

見る人がそれぞれ解釈して見ても面白

いと思います。

「幸せ」の定義は人それぞれですが

ミョンハの求めた〈幸せ〉は「絶望し

た時に側に居て、支えてくれる存在」

です。

唯一の家族である祖母に先立たれ、恋

人に別れを告げられ、子供の頃に別れ

た母に拒絶されたミョンハの絶望感。

「愛されたい」という想いは、逆に誰

にも愛されないなら、生きている価値

もないも無い、消えてしまいたいと、

思って衝動的に自殺していまったのだ

と。

でも、死んでいく中で後悔したのは、

自殺したことだけでなく、自分の人生

そのものに後悔していたのは、とても

痛くて切ない気がしました。

結局、人生リセット出来て良かったね

って感じなんですけど。

ストーリーとしては、本題に似合わな

い矛盾点も、面白いと思います。

ミョンハが本を読んでサブキャラのヨ

ウンの不幸を、そういう人生もあると

バッサリ切り捨てる先輩に、納得いか

ないと言いながら、サンウォンがミョ

ンハの事を好きな事を知ってて、結構

態度が鬼畜。

サンウォンはサブキャラだからいい

のか?と、ドラマのサブキャラを救う

考え方との矛盾点が面白かったかな。

だからといって、昨今のBLとかだと

無理矢理でも相手見つけてカップリン

グしたりしますが、そういう無駄な配

慮が無いのは良かったな。

それから、サンウォンとギョフンって

親戚で仲がいいはず。なのに、冒頭、

ギョフンを屋上に拉致って、ミョンハ

を呼び出すのに利用するのも、おかし

な感じ。

色々、プロットの甘さは否定出来ませ

んが、見る側に考察させるだけのヒン

トを与えながら、程よく曖昧にしてい

る部分が、難し過ぎない辺りも、面白

いかな。

で、

やっぱり要はキャラ。

ミョンハが元々29歳という設定で、

常に年上感があって良かったな。

ヨウンがミョンハ以外の前では笑わな

い徹底さも良かった。

最後、日にちが2日ズレてた意味がイ

マイチわかりませんでしたが、、、

まぁ、いいか。


キャスト

テ・ミョンハ:イ・テビン

チョ・ヨウン:チャ・ジュワン