昨夜、熊本から7時間ほどかかって山口県萩市に入りました。コタツに入ってやっと「花燃ゆ」追走番組構想スタートです。追走番組第2弾では番組がどのようにできていくかのメイキングを披露しながら進めます。

住民ディレクター発!「花燃ゆ」で國創り 
NHK大河ドラマ追走番組 

企画・制作 大河ドラマ追走番組プロジェクト2

◇企画主旨

・大河ドラマは井上真央さん(杉文)、伊勢谷友介さん(吉田松陰)など有名俳優陣によって山口をはじめ全国ゆかりの地の歴史がこれまで以上に身近な存在となります。「花燃ゆ」を通して郷土を愛する人づくり、松下村塾の精神 (特に今回は松陰の思想の中でも草莽崛起*1 に焦点を当てて) 継承に取り組み、人が中心の観光、生涯教育などの推進に取組みます。特に「地方創生元年」である2015年に山口をはじめとするゆかりの地から大河ドラマ「花燃ゆ」に連動した地域活動を発信し続けます。

 *1 草莽崛起(そうもうくっき)・・孟子の言葉で草木の間に潜む隠者、つまり一般大衆のことをいう。崛起は一斉に立ち上がることを指す。全国の地域、住民が追走番組を実施しながらネットワークを紡ぎ、地方創生に立ち上がることを番組の目的とします。

 ◇企画内容

・地域住民の視点で伝える大河ドラマの勝手連的な「住民ディレクター制作番組」。1年をかけて住民自身が立体的な「地域活性化の大河ドラマ」を描いていきます。

◇放送形式(案)

・基本は住民ディレクター制作チームによってネット配信による追走番組を制作します。 
生中継 http://www.ustream.tv/channel/tohotv
アーカイブ https://www.youtube.com/TohoTV11ch

◇スケジュール

1/4(日)の大河ドラマ後からスタートし、1年間追走します。3月まではスタッフ態勢、制作手法等を模索し、4月から本格スタートとします。

とうほうTV   Facebook「花燃ゆ」で國創りページ


 年末2回目の再放送「花子とアン」を見ながら今日は大掃除。「花子とアン」は間違いなく「家族」をテーマとしている。山梨の田舎が家族のモデルで、女学校、花子が教鞭をとる田舎の小学校の教室や出版社、カフェなど様々な場で次々と家族のような関係が紡がれ「場」ができていく。本人は全く意識してないけれど自然とその役割を果たし、どこそこで花を咲かせていく。

 一方で物語の書き手としても力を発揮していくが、代表作の「たんぽぽの目」は貧しい家に育ち、貧しさゆえに転校していった一人の少女を元気づけるために書いたものだった。彼女に読んでもらうために「あさいち」のおかげで出版を思い立つ。そして花子が書く物語を出版社の社長は「洗練された平凡」と見事に表現する。特別に目だったり、どうということもない平凡の中にキラリと光る洗練された心の動きを洞察し淡々と表現する。その「たんぽぽの目」は大好きな「じいやん」が死ぬ前に何度も何度も読んでもらって大好きになった物語でもあった。

 花子はいつも「じいやん」や母、父の背中をみて育ったから自分のことよりも他者のことを先に考えるが妹の恋でそれが故に傷つけてしまう。妹の片思いの「あさいち」は誰あろう、はなが好きだった。繊細だが周囲に鈍感だった「はな」は蓮子さまとの出会いや出版社、NHK、そして本や放送を待つ子どもたちと交流しながら「花子」になっていく。

 連続ドラマは見れなかったけれど部分部分で見ていたドラマの筋が紡がれてきた。そうそう、大掃除しながらを忘れずに。「洗練された平凡」は住民ディレクターとの共通点として胸の奥に響いた。


 戦国時代とはとても比較なんぞできませんが、大義は何か?は少なくとも現代の生活にも共通するはずです。

 いろいろな仕事が締め切りを控えて日々慌ただしく過ぎ去っていきます。しかしこれから大事なこと、次につながることはどんなに忙しくてもどんなに大変でも軽く流せない人たちが必ずどこにでも何人かはいます。そういう人たちは周りがどう言おうが、情勢がどうであろうが関係なくやっていきます、しかし、戦国の世はそうもいきません。生命がかかってきます。

 で、キリシタンのテーマの時に高山右近は一人決然とマニラに飛ばされます。官兵衛は自分にはできないと悟り、表面上は棄教しますが心の中ではキリシタンを貫きました。どちらが良い悪いとの議論はさておいて、官兵衛の生き方は常に自分と家族、家臣、領民の生命を守ることにあります。そしてそれは敵方にもそっくりそのまま同じ考えが及びます。

 「騙し騙され」が当たり前の戦国のあの時代に敵味方なく、とにかく一人でも助けられるなら助ける方法を模索し続けます。現代なら少なくとも一人一人がバラバラな都会ではなく、どんどん人口が減り「地方創生」が心底喫緊の課題である過疎市町村、少子高齢化が良いのか悪いのかは別にして、「地域ごと」無くなる恐れがあると脅されている小さな自治体の危機感とつながるものでしょう。しかし実際は、都会でも田舎でも関係なく当然やる人はやるのですが・・・。官兵衛は常に世界を、未来をしっかりと捉えていたと感じます。

 「何とかせんばいけん」という言葉は一時だけのスローガンや自分の仕事を守るためだけの表面的な、薄っぺらな、半端な気持ちでは言ってはいけない言葉です。「言うことはやる」。実践し続ける。官兵衛は人生をやりきって安らかに寿命を迎えます。

おもひおく 言の葉なくて つひに行く 道はまよはじ なるにまかせて

何度聞いても官兵衛の人生を見事に語った句と感じます。

 戦が迫ると一人一人の姿勢が明確になります。それはそうです、明日死ぬかもしれない。そうなると人は普段のように?誤魔化しは効かず、自分自身の生き方がそのまま出てしまいます。

 岡田准一くんの「軍師官兵衛」は若い頃から一貫してました。「戦のない世をつくる。」その目的の実現のために自分がついていくべき人がいたら迷わずついていく。自分がやれることをとことんやりきる。そしてその最初は秀吉を経由した「信長」でした。

 信長が光秀にやられた時には悩み悩んだあげく「秀吉」との答えが出ました。それが秀吉に中国大返しで「今こそ天下取りのチャンスです」と言わしめたはずです。さらに秀吉が死に家康か三成か?というときに「如水」となっていた官兵衛は相当考え尽くしたとおもいます。答えはすぐに「家康」と出たはずです。

 だからこそ長政が家康の先鋒で活躍するのも納得していたのです。が、家康が天下を取った時に日本の未来はどうなる?と考えると一抹の不安が走ります。その結果がキリスト教禁止令につながります。鎖国です。その頃すでに官兵衛は亡くなっていますが、常にずっと先の未来を見ていました。官兵衛は信長の「世界への雄飛」と「戦のない世」がセットであることを望んでいたとおもいます。すると三成では全く話にならないが家康でもあまり良い結果ではない。ではどうするか?

 ドラマでは如水自身が天下を取りに行く話になりますが、これも実は違うだろうとおもいます。次のトップを構想していたのだろうというのが岸本説です。それまではもしかしたら自分がつなぐしかないかもしれないとは考えたかもしれません。だって如水には我(が)がないんですから。水の如しです。

 で、その59歳になった頃に自分だけがのんびり暮らすということではなくて「次は誰?」と最後まで考え尽くしたとおもいます。辞世の句をまた紹介しますが、官兵衛は「軍師」ではなく「経世家」でもなく、官兵衛自身になろうとしていた戦国時代ではまさに稀有な人物だったと感じます。


 東峰村に住み始めて4年と4ヶ月です。通い始めたのはさらにその4年前からですのでご縁があってからもう8年になります。8年前は東京の六本木で村おこしをしていました。東京にも住んでいた頃です(東京、兵庫、熊本事務所時代)。

 その頃、福岡県の中山間地の東峰村というところで「ITの利活用を始めるので手伝って欲しい」と福岡県の方々が東京に訪ねてきました。そして翌年の1月から毎月1回東京から東峰村通いが始まりました。平成20年まで毎月通って住民ディレクター養成と番組づくりの実践を続けました。まだ村内では一部の人たちの活動という感じでしたが、わたしの会社が持っていたスカパーの地域活性化番組の放送枠を提供し、毎月制作し続けました。

 現在、「官兵衛で國創り」のスタジオや取材で活躍してもらっている梶原京子さんは最初の住民ディレクター講座の受講生の一人です。そしてその過程で村役場の担当だった小林さんと描いたのがIT劇場という構想でした。小林さんとは毎月通うたびにホワイトボードを使って未来の東峰村の活性化を支えるICT利活用の方策を議論し絵にしていました。「ITはおもちゃか?救世主か?」という問いが小林さんのテーマでした。わたしの答えは「IT劇場の創造」にありました。その頃の小林さんや関係者にはその話はきっと夢物語に聞こえたとおもいます。

 しかし、あれからさらに4年経った今、小林さんと描いたIT劇場は現実のものとなってきています。今年はNHK大河ドラマという「テレビ世界の巨人」を追走するという発想で「マスメディアと地域メディアの連携」を図ったのです。追走は最終的にはNHK会長、副会長やドラマ番組部長との面談、協力依頼という段階まで行き、次年度の大河ドラマ追走番組もほぼ見えてきました。

 IT劇場はもともとあるFace to Face の関係をテレビやネットの世界に乗せることでさらに大きな交流を生み出し、リアルの世界の交流をどんどん広め深めることで地域の活性化を実現する構想です。「官兵衛で國創り」はこれまでは個別のテーマで交流していた人と人、地域と地域を全国で共通に視聴できる大河ドラマを介してダイナミックに一つのテーマで結びつける試みでした。ドラマの中心である官兵衛周辺の戦国の歴史にとどまらず、大河ドラマで地域おこしに取り組む人々や地域そのものもテーマにすることで大河ドラマを現場の地域活性化につなげます。これぞIT劇場だったのです。

 そして来年は大河ドラマのパート2(「花燃ゆ」追走)もやりながら、福祉や観光、生涯教育など地域のあらゆる課題を守備範囲とする総合的な地域活性化番組を制作します。ズバリ!!総合テーマは「地方創生」です。そしてもう一つ、今年の大河ドラマ追走を生かしてドラマづくりにも取り組んでいきます。

 住民を主体にした1、大河ドラマ追走 2、地方創生番組 3、ドラマづくり 地域活性化のICT利活用番組の3種の神器といって良いとおもいます。そして忘れてはいけないのはこの動きは番組づくりだけではないということです。番組づくりという人材育成プログラム(住民ディレクター育成)にFacebookやTwitter、ブログ、ホームページなどのソーシャルメディアが日々絡みつくように同時進行するICT利活用の仕組みです。ここまでくれば「四種の神器」といってもいいかもしれません。

とうほうTVホームページ
「官兵衛で國創り」 Specialサイト
岸本晃FB
「官兵衛で國創り」FB 


 「官兵衛で國創り」はいよいよ如水とキリシタンに迫ります。「軍師官兵衛」は最終回に近くなってますが、「國創り」で歩けば必ず新発見に出会う!!という感じで「まだまだ終われないなー」というのが正直な感想です。

 現に県内各地で歩けてないところが山ほど残ってますし、研究者や市井の郷土史さん、プロ作家の皆さんなどとも会いたいと思ってる人に全然会えていません。探求している人たちには当り前でしょうが初めてきちんと聞くこちらからするととても鮮烈な新発見、新たな歴史ばかりです。キリシタンはまさに隠れ切支丹といって隠されてきた歴史の最大のものの一つですがそこに如水が深く関わっていたということは日本史だけでは読み取れない世界史が見えてきます。しかも今回はすぐそこの朝倉市の学校から飛んでもないものを発見し、それを事も無げに話される隈部係長の姿に驚きました。

 文化財を発掘される方々にはある種当り前、一般人にはよくわからないもの、地味なもの、とされて資料館あたりにそっと置かれてるのですが、「軍師官兵衛」で歴史が見えてくるとその発見物が急にキラキラと輝き出します。文化財と観光が結びつくことでこれまで隠れていた貴重な郷土史が少し華やかな色のライトを浴びてステージに登場してきています。本来は無色な照明に慣れているので色付きの照明は苦手でしょうが、多くのみなさんにその姿を見てもらうことが大事とつくづく感じました。

 今夜の「軍師官兵衛」追走番組「官兵衛で國創り」では日本人には見えなかったルイスフロイスの書簡集からキリスト教国からの如水の評価、また朝倉市からは如水の弟の直之の館の跡地に関係した商工観光課隈部係長が本邦初公開!!の「あるもの」を紹介頂けます。

「官兵衛で國創り」はとうほうTVホームページから 
「官兵衛で國創り」スペシャルサイトができました。 


 健さんが亡くなりました。マスコミに届いた高倉プロモーションからのFAXの中に「往く道は精進にして、忍びて終わり悔いなし」という言葉がありましたがご本人の言葉でしょう。健さんらしいのは「忍びて」という文字ですね。

 「おもひおく 言の葉なくて つひにゆく みちはまよわじ なるにまかせて」官兵衛こと黒田如水の辞世の句ですがどこか表現されている心持ちが似ています。要は二人とも「おもひを残さず後悔しない生き方」を全うしたんでしょう。名軍師、名俳優はまさに生きる名人であったのだと感じます。

*写真はいぶき館の伊藤館長。


 黒田二十四騎ですぐに浮かぶのは栗山善助、母里太兵衛、井上九郎右衛門、この3人はいつも如水(官兵衛)のすぐ側に控えています。そして長政と対立して最終的には大坂の陣で戦死したとされる後藤又兵衛が有名です。さらにわが東峰村出身者とわかった原弥左衛門がぐっと身近になりました。なにしろ東峰テレビの21歳のスタッフ梶原愛理の地元猿喰 (さるばみ)地区の仲道さんが詳しく調べて村民にとうとうと2時間も語ったほどですから。

 さて、このほかにまだ19名いるわけですが少しづつ見えてはきたもののまだまだ顔が見えていません。見えている家臣にしても濱田岳の善助を筆頭に如水の家臣はあまりしゃべらず黙々と仕事をするように見えます。何しろ画面に映ってるのは殿の前が多いので仕方がないかもしれませんが、実際はどうだったのでしょう?それにしても一人一人が自分の持ち場を守りながら、語るときは語り、吠えるときは吠え、おおいに呑み、信頼感溢れるファミリーそのものを感じます。

 シナリオの前川洋一さん、主役如水の岡田さん、それぞれの思い入れたっぷりの布陣になったのでしょう。11/16(日)の「官兵衛で國創り」は黒田二十四騎の素顔に迫ります。主に朝倉軍師プロジェクトからのリポートになります。さてクローズアップされる家臣は?お楽しみに!!

「官兵衛で國創り」生放送はこちらから 

岸本Facebook

*写真は晋遊舎 黒田官兵衛より


 「軍師官兵衛」の最終回が近づいてきたので当然、「官兵衛で國創り」も同時進行で最終回が近くなりました。最終回の前日午後10時から最終回26時間テレビをやりますがいよいよ企画案や構成案が公開できる状態に近づいてきました。

 1/5(日)の第1回放送からこれまでで44回生放送をやってきましたが、あと5回と最終回の26時間テレビを合わせて6回です。この「官兵衛で國創り」で北海道から沖縄まで全国各地の住民ネットワークを紡いできました。そして新しくワクワクする出会いがいっぱい生まれました。そこから老若男女、様々な業種業界の方々が新たなチャレンジも始めています。さて、この具体的な動きをまもなく公開で発信致します。

 来年の山口「花燃ゆ」再来年の長野「真田丸」と続きますので今から乗っかってもらっても十分力を発揮できます。ぜひ多くのご参加を期待して公開モードに入ります。乞うご期待!!

とうほうTVホームページ
「官兵衛で國創り」FBページ
*総合プロデューサー 岸本晃FBページ 

写真は東峰村出身の黒田二十四騎・原弥左衛門(福岡銀行所蔵博多人形)