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ネタ切れ野党は元外相の岡田克也氏(いまはどこの政党だ?w)を出してきたが、岡田氏は出せるはずのない外交資料の提出を要求し、それが認められないことを理由に質疑を打ち切ってしまった。
野党のサボり癖には深刻なネタ不足、最策論議のできる人材の不足という背景があるのだ。
実は、このやり取りは視聴していないのだが、国会中継やテレビの討論番組をリアルタイムでよく実況してくれるdelさんが次のようなツイートをされている。
茂木外相の独り言をマイクが拾っていたというのだが、これが速記者の耳にも届いていたら議事録に載ることになる。もっとも、すぐに騒ぐ野党が問題にしなかったから、議場にいる人たちには聞こえなかったのかもしれない。
一方、安倍総理の「あなたが(文書を)作ったんじゃないの」の独り言は、野党のヤジが止まっていたために周りにはっきり聞こえて問題視された。
毎日新聞などはこれをネタに有料記事にまでしている。
やまぬ安倍首相のヤジ 今年だけで不規則発言20回超「民主主義の危機」
会員限定有料記事 毎日新聞2019年11月7日
https://mainichi.jp/articles/20191107/k00/00m/010/236000c
(一部抜粋)
6日のヤジは、立憲民主党などの会派に所属する今井雅人氏の質問中に発せられた。
加計学園問題を巡り、文部科学省が公表した文書に萩生田光一文科相が登場することから、萩生田氏に経緯を問う今井氏に、閣僚席の首相が「あなたが(文書を)作ったんじゃないの」とヤジった、とされる。当時の動画を見直すと、首相らしき声で「あなたが……」とつぶやく声が記録されている。
これで審議は一時中断。首相は「座席から言葉を発したことは申し訳なかった」と謝罪したが、発言は取り消さなかった。
(引用ここまで)
それにしても「民主主義の危機」とは恐れ入る。
こんなのを有料記事にするのだから、新聞もよほどネタ不足なのだろう。
それはともかく、この記事によると、安倍総理は今年だけでも26回の不規則発言をしているという。
ただ、ヤジなら特定野党のほうが圧倒的に多いし、大勢が大声をあげるからうるさくて審議の妨げになることが多い。
委員会と関係ない議員までが騒ぐし、各自が何を言っているのか分からないから「ギャーギャー」と表現するしかない。答弁の合間にタイミングよくウィットの富んだ言葉を発すれば「ヤジは議場の華」となるのだが、ただただうるさいだけなのだ。
一方、安倍総理のヤジは論者の話の合間にタイミングよく発せられる。
総理の話を聞かずに「ギャーギャー」と叫んでいた連中はお休み中で静かだから、普通に話すだけで周りによく聞こえるのだ。
だから、野党のヤジは議事録に(発言する者あり)などとカッコ書きされるだけなのに、閣僚席の独り言は発言として残るのである。しかし、安倍総理はそれが分かっていても、野党の質疑もヤジもあまりにも低レベルなためか、つい言葉を発してしまうようだ。
昨日の予算委員会でも、質問する立憲民主党の杉尾秀哉氏を指さしながら「共産党」とヤジったそうだ。昨日の今日だから、安倍総理は批判や反発があることを分かったうえでやっているのだろう。マスコミが騒いで自分の発言が拡散することを狙ったのかもしれない。
もっとも、安倍総理の盟友とも同志とも言える世耕参院幹事長は、今国会冒頭の代表質問でこんな苦言を呈していた。
第200回臨時国会における世耕弘成参議院自民党幹事長代表質問
2019年10月8日
(前略)
私は安倍総理と約20年もの長きにわたって政治行動を共にして参りました。その根底には総理の政治理念への共鳴があることはもちろんですが、どのような難局に直面しても冷静沈着で余裕を失わず、人の意見によく耳を傾ける。数え切れないほど同席させていただいた外国首脳との会談では、相手の提起した論点に一つ一つ丁寧に応答し、相手の心を鷲掴みにしていく。そして難病を経験されたからでしょうか、人に対して何とも言えない優しさを示される。そういう総理の人柄に強く惹かれたという面もまた大きいものがあります。
しかし国会審議の現場では、時々、私の知る総理とは異なった一面が垣間見えることがあります。私は安倍政権に否定的な立場の方にお会いすることがあると、その理由を尋ねるのですが、「答弁の時の居丈高な態度が気にくわない」「ヤジにいちいち反応するところが嫌いだ」といった理由を挙げる方が少なくありません。総理の普段の人となりを知る者として、これほど残念で勿体なく感じることはありません。
総理、これからの国会審議では、是非謙虚で丁寧な対応に徹して頂くよう、強くお願いしたいと思います。
(以下略)
https://www.jimin.jp/news/parliament/140382.html
それでも、安倍総理は「あなたが(文書を)作ったんじゃないの」「共産党!」と言ってしまった。しかし、どちらもタイミングも皮肉のセンスも上々で「ヤジは議場の華」とはまさにこういうことを言うのではないか。
世耕さんは安倍政権に否定的な人たちの「ヤジにいちいち反応するところが嫌いだ」などのコメントを取り上げているが、アンチの連中はそれをやめても間違いない他の理由を挙げてくる。理由など後付けで批判するだけの連中に無理に合わせる必要などないのである。
とはいえ、閣僚席での不規則発言は野党やマスコミに批判材料を提供することになるし、それで影響を受ける有権者はまだまだ多い。だから、反論したいことがあれば、閣僚席からではなく自分の発言機会にピリッとスパイスを効かせたコメントをした方がいい。
例えば「悪夢の民主党」などは今年の流行語大賞にしたいくらいの名言だった。
これは自民党内の会合での発言だったが、岡田克也などが国会でいきり立って質問してきたから、答弁の中で「悪夢の民主党」というフレーズを何度も使うことができた。
また、議場のヤジに反応した例でも座布団を進呈したくなるのもある。
次の例は、安倍自民党が政権を取り戻した解散総選挙直前の安倍総裁による代表質問だ。
(原稿にない発言、不規則発言と思われる部分を赤字強調した)
○安倍晋三君 自由民主党の安倍晋三であります。
私は、自由民主党・無所属の会を代表して、野田総理の所信表明演説について質問をいたします。(拍手)
(中略)
日本はたそがれを迎えていると評論する人たちがいます。それは間違いです。未来は、私たちが何をするかにかかっています。総理が所信で述べられたように、沈む夕日のセンチメンタリズムに浸っているいとまはありません。今、求めるべきは、人々に活力をもたらす光り輝く朝日です。
私たち自由民主党には、成長戦略があります。地に足のついた、未来を見据えたエネルギー政策があります。私たちは、働く人たちのために、日々の生活に不安を抱く人たちのために、子供たちのために、力強い経済を取り戻すことができます。
日本が主権を回復して、ことしの四月二十八日で六十年目を迎えました。本来であれば、六十年前、七年間の占領時代につくられた仕組みを見直すべきでした。しかし、それをしなかったがために、今、さまざまな問題が私たちの前に立ち塞がっています。
国民の生命財産と日本の誇りを守るため、今こそ、憲法改正を含め、戦後体制の鎖を断ち切らなければなりません。我々の伝統と文化の上にみずみずしい新しい日本をつくることができるのは、私たち自由民主党です。あなたたちではありません。
野田総理、野田総理……(発言する者あり)
○議長(横路孝弘君) 静粛に願います。
○安倍晋三君(続) 皆さん、選挙が近くて議席が危ないという恐怖はわかりますが、しばらく静かに聞いていただきたいと思います。
野田総理、一日の仕事を終えて仰ぐ夕日の美しさに感動するときを迎えているのは、総理、あなた自身であります。
解散・総選挙を行い、その結果国民の信を得た政権によってこそ強力な経済外交政策を推進することができます。そして、日本は輝ける新しい朝を迎えるのです。
そのために、総理の決断を求め、私の質問を終わります。(拍手)
(第181回国会 本会議 第2号 平成二十四年十月三十一日(水曜日))
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/181/0001/18110310001002a.html
どちらが総理か分からないほど内容の濃い代表質問に与党席(野党ではないのだw)から激しいヤジが飛んだ。
そこで、安倍総裁はアドリブで「あなたたちではありません!!」とやった。
そこで、野党のじゃなかった与党席からの「ギャーギャー」が一段と激しくなったが、議事録では(発言する者あり)となっているだけだ。
そこで、議長が「静粛に」と言って少し静かになったところで、安倍総裁は「皆さん、選挙が近くて議席が危ないという恐怖はわかりますが」と再び挑発をしている。
もちろん、これもアドリブだろう。
この後、野田総理の答弁があるが、まったく覇気がなく、すでに解散やむなしと覚悟しているかのようだ。この代表質問でのやり取りが二週間後の党首討論で当時の野田首相が解散を明言することにつながったのである。
このように、安倍総理の不規則発言は言論の府である国会での強力な武器でもある。
この諸刃の剣をいかに使いこなすかは、総理自身に任せるしかなさそうだ。
(以上)
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