政治指導者の器 | 猫の遠ぼえ『次の世代に残したい日本』

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安倍晋三応援ブログです。
やっと明るい未来を語る政治家が総理大臣になりました。しかし、闘いはまだまだこれから。子や孫が希望を持てる国になることを願うおやじです。

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安倍総理は24日に国会の首班指名選挙で選出され、その後、皇居での親任式において天皇陛下から任命をうけて第97代首相となった。この親任式で任命されて正式に総理大臣となるのだが、この儀式は極めて荘厳で誰でも非常に緊張するものらしい。

宮殿「松の間」で行われるこの儀式について、宮内庁のホームページではその様子を伝える写真と共に次のように説明されている。

天皇陛下が内閣総理大臣(国会の指名)と最高裁判所長官(内閣の指名)を任命される儀式です。内閣総理大臣の場合は,衆・参両院の議長が侍立し,天皇陛下から任命する旨のお言葉があった後,前内閣総理大臣から官記(任命書)が伝達されます。

最高裁判所長官の場合は,天皇陛下から任命する旨のお言葉があった後,内閣総理大臣から官記(任命書)が伝達されます。(宮内庁ホームページより)
http://www.kunaicho.go.jp/about/gokomu/kyuchu/others/shinninshiki.html

この写真は第二次安倍内閣発足時のもので、野田前首相が安倍新首相に任命書を手渡した後のものと思われる。今回のように前首相が新首相と同一人物の場合は誰がその重要な役を担ったのか気になるが、それはともかく、この時、野田氏は選挙に大敗した直後であり、どんな心境で臨んでいたのだろうか。

これは先日ご紹介した田崎史郎氏の『安倍官邸の正体』で紹介されている興味深いエピソードの一つだが、上記の儀式の直前に安倍氏と野田氏の新旧首相が2人だけになる時間が15分くらいあったその時の様子を野田氏から直接聞いた田崎氏は次のように書いている。

 安倍が野田に「いつごろ党首討論で衆院解散時期を言おうと決めたんですか?」と尋ねたのに対し、野田「11月上旬ですね」と答えた。次に安倍が発した言葉に、野田は度肝を抜かれた「野田さんも二度目をやれますよ。私だって二度目をやるわけですから
 この話を野田から聞いて、私も驚いた天皇陛下にお目にかかる直前、国家の権力移譲の象徴と言える荘厳な儀式に臨もうとしている時に、こういう言葉を発することは並の神経ではできない。しかも、話しかけた相手は野田本人だ。
(『安倍官邸の正体』97ページ)

これに続き田崎氏は、民主党の議席を308議席から57議席に激減させ、政権を喪失して傷心のどん底にある野田前首相にこの言葉をかけるのは傷口に塩を塗り込まれるようなものだと述べている。このような緊張する状況でそれを平然と口にする安倍総理の神経は相当太いと感心しているのである。

もっとも、私はこの話を読んで少し違う感想を持った。確かに野田氏は傷心のどん底にあったかもしれないが、彼は在任中に自身の政治生命をかけた消費増税に道筋をつけていた。安倍総理のように「自信と誇りは粉々に砕け散った」り、「地獄を見た」というほどではなかったのではないか。

自分はそこから再び再起したのだから、あなたも出来ますよという言葉はおそらくごく自然に出てきたもので、傷口に塩を塗るどころか本当に激励の意を込めたのだと思う。安倍総理は民主党の中では野田氏をそれなりに評価しているようで、野党自民党総裁時代に「素直に言って野田さんは好きだ」と言っている。

その野田氏が今回の民主党代表選にあたり、自身のホームページの「かわら版」で自分の考える新しい代表像を披露している。
 

野田よしひこかわら版 No.977 『新しい代表像』
  11万9193票のご支持をいただき、7期めの当選を果たすことができました。露骨な当選御礼の文章を掲げますと公選法違反の疑いが出てきますので、表現は控えさせていただきますが感謝の気持ちで一杯です。

  民主党の議席数は微増でしたが、海江田代表が落選しました。総大将が討死した上、一強多弱状況を打開できなかったわけですから、完敗だったと言わざるをえません。その海江田代表が辞任され、来年1月18日に臨時党大会を開催し、新しい代表を選任することになりました。私が思い描く新しい代表像は以下の通りです。

  まず第1に、内閣総理大臣になる覚悟と器量をもち、その準備を着実にしてきた人物です。次期総理候補と衆目が一致する人が先頭に立たなければ、来春の統一地方選、2年後の参院選、次の衆院選を戦えません。

  第2に、野党再編を見据えながらも、まずは分厚い中間層を復活するという理念の下で党を再建し、党勢拡大をめざす人が望ましいと思います。拙速な再編はすぐに空中分解することでしょう。

  第3に都市部有権者に向けたメッセージの発信力を重視したいと思います。かつて民主党王国といわれた北海道、新潟、愛知は復調の兆しが出てきました。しかし、首都圏、関西圏は壊滅状態のままです。都市部で勢いが出てこなければ、2大政党の一翼を担うことは不可能です。

  最後に、今年も1年間、「かわら版」をご愛読賜り、誠にありがとうございました。では、良いお年を!!
(引用ここまで)


野党第一党の代表像としては妥当なものだと思う。しかし、最初の条件である「内閣総理大臣になる覚悟と器量をもち、その準備を着実にしてきた人物」なんていまの民主党には見当たらない。もっとも、野田グループからは岡田氏を推す動きもあるが、自身はまだ誰を支持するのか表明していない。

彼は現在の民主党内には自分しかその適任はいないと考え、安倍総理にならって再起の時期を図っているのではないか。野党再編に言及しながら「拙速な再編はすぐに空中分解する」としているのは、自分の出番はもっと後にあると考えているのだろう。

また「メッセージの発信力」に言及しているのは、挫折を経て飛躍的に発信力を高めて再起してきた安倍総理を強く意識しているように思う。彼は憲法や安全保障などでは総理と近い見解を持っており、安倍総理は次世代の平沼氏や維新の橋下氏同様、憲法改正勢力としては「こちら側」と考えているのではないか。

民主党の新しい代表が決まっても、政界再編の動きはまだまだ続く。その中に彼の再起のチャンスがあるかもしれないが、問題は安倍総理のように挫折から学び今後どうするべきかをどこまで考え抜いたかだ。彼が再び首相になるような日は決して来ないだろうが、今後の動きには注目したい。

(以上)

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