技能実習の期間延長は移民につながる? | 猫の遠ぼえ『次の世代に残したい日本』

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政府が建設業界の人材不足に対応するため外国人技能実習制度を見直し、現在最長3年となっている在留資格の期間を建設業に限って5年間または条件によっては6年間に延長する方向を固めた。

外国人労働者「最長6年」 建設業、実習制度を拡充
産経新聞 3月29日(土)
 政府は、建設業界の人材不足に対応するため、外国人労働者の活用に関する素案を28日までにまとめた。受け皿となる外国人技能実習制度を補完し、通算で最長6年の滞在を認める。2020年の東京五輪の関連施設の建設準備を念頭に、平成27年度から実施する。
 現行の技能実習制度は製造業や建設業、農業などの現場に途上国の人材育成を目的に研修生を受け入れ、最長3年の在留資格を認めている。今回は建設業に限って制度を拡充。法相指定の在留資格である「特定活動」を使って最長2年間の滞在を認め、技能実習制度と連続して計5年間の滞在を認める。
 また技能実習制度で来日した経験がある研修生が再来日する場合、帰国後1年未満なら2年、1年以上では3年の滞在を、それぞれ特定活動として認める。これにより通算6年の滞在が可能になる。
 建設業界の人手不足は深刻で、東日本大震災の復興需要などの公共事業や、景気回復による民間需要の増加に対応できていない。資材価格や人件費の高騰も続き「人手が足りないなら外国人労働者も必要」(不動産協会の木村恵司理事長)と、関連業界からも早急な対応を迫る声が出ている。
 一方、建設業界には「若手や女性の育成が先」(業界団体幹部)との慎重論も根強い。外国人研修生の賃金は、日本人の職人より相対的に安い場合が多く「受け入れ数が増えると、賃金相場が値崩れする」といった懸念も労働組合側にはある。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140329-00000103-san-bus_all

日本に在留する外国人(外国人登録者)数は次のように推移している。


バブル崩壊後に急増した後も増え続けてきたが、リーマンショック後はやや減少気味となっている。最新の統計では観光などの短期滞在を除く総数で  2,070,542 人(2013年6月)となっているが、その内、技能実習制度で在留している人数は154,545人だ。

この「技能実習」の在留資格は技能の習熟度に応じて「技能実習1号」と「技能実習2号」に分けられ、更に受け入れ管理する団体によっても「イ」と「ロ」に分けられるが、その分類別の人数はつぎのとおりとなっている。

               (人)
技能実習1号イ  4,172 
技能実習1号ロ  58,484 
技能実習2号イ   2,942 
技能実習2号ロ  88,947 
    (合計)    154,545

技能実習1号というのはまったく初めて実習を受ける実習生で、その後技能検定基礎2級などに合格して2号になる。その概要は次のようなものだ。


また、イとロは次のように説明されている。

イ 企業単独型とは・・・日本企業の外国にある支店・合弁会社・子会社又は事業上関係を有する外国企業の職員で、転勤又は出向する者を技能実習生として日本企業が受入れるものです。

ロ 団体監理型とは・・・商工会議所・商工会、中小企業団体、農業協同組合、漁業協同組合、社団法人・財団法人などの監理団体が、外国の送出し機関から技能実習生を受入れ、団体監理の下、傘下企業において技能実習を行うもので、技能実習生と傘下企業の実習実施機関が雇用契約を締結します。 よって、監理団体は、職業安定法に基づき、無料職業紹介事業や有料職業紹介事業の届出・許可を得ることになります

(引用元→http://iwata-gyosei.com/G60_ginou.html)

1号の実習生や2号になっても経験が少ない者は、戦力になるどころかむしろ現場の負担になるが、期間の延長をするということは3年の経験を積んだ人材に残ってもらうということになる。つまり、この忙しい時に、やっと役に立つようになった人材に帰国されて困る場合に残ってもらえばいいのである。

ただ、この制度には、実習期間が終わっても失踪して不法に滞在したり、低賃金の単純労働者として違法に扱われるケースが続出するなどの問題がある。制度が狙い通りに機能しているとは言えないようだ。2010年には出入国管理法が改正されるなど改善に向けた動きはあるが、さらなる改善が必要だ。

さて、このような政府の動きに対し、毎年20万人の移民政策などと絡めて批判する向きがある。「安倍は移民政策で日本を解体しようとする売国奴だ!」というわけだ。ただ、そこまでは言わなくても、これが移民政策につながるのではないかと不安に思う人も多い

とはいえ、技能実習生の在留期間を延長しても10万人(2号のイとロの合計)のうち、一体何人が帰国せずに残るというのだろうか。実習生には失礼な言い方だが、戦力にならない人は延長せずに3年で帰国していただけばいいのである。つまり、戦力になる人だけが残る

また、今回の政府の決定は建設業に限っているが、これらの実習生が他にはどんな職種で訓練を受けているのかを見てみよう。人数的には製造業関係が圧倒的に多いようだ。


建設業で働いている人は平成23年度で4千人弱であり(最新は約5000人くらい)、今回の決定で何人くらい増えることになるのか分からない。しかし、人手不足に悩む建設現場から、現在戦力になっている実習生が3年経ったからと帰国させてしまうのを延長できるのはいいことなのではないか。

しかも、これは押しつけではなく企業側に選択肢がある一体これのどこが問題なのだろうか。
現在、繰り広げられている移民や外国人労働者に関する議論は、こういう現実的な問題と日本の将来に大きく関わる移民受け入れか否かの話が混在している現状と将来、一時滞在と移民など、分けるべき話がいっしょくたになっているのである。

前エントリで、現状は「正社員=終身雇用」が崩壊しており、そういう前提で『労働移動支援助成金制度』を論じるのはおかしいと書いた。それに対し「血祭謙之介(NWD)」さんが次のようなコメントをくださった。

(引用ここから)
2. ヌコの集会所にお邪魔致します。ねこです様の仰られます通りだと思います。
『労働移動支援助成金(再就職支援奨励金)』が有ろうと無かろうと関係無く、企業に因ります馘首は行われる訳です。

所謂“リストラ”のハードルは変わりません。

これまでは、そこまででしたが、「(馘首した企業は)その後にも責任を持ちなさい」という意味合いの法律ではないでしょうか。

左翼連中が、『特定秘密保護法』を指しまして、「特定秘密を増やす法案だ!!」という斜め上のストーリーを作りまして反対をされましたが、それと同じ臭いを感じます。
血祭謙之介(NWD) 2014-03-29 15:50:43

(引用ここまで)

私は、移民と直近の人手不足を補う話を意図的に混同する議論にも、同じ臭いを感じる

(以上)

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